
- 「移民」は傘の言葉。中身は労働・家族・留学・難民で、まるで別物
- 欧州の公的推計で財政の大きな赤字になっているのは難民(庇護)と家族呼び寄せ。労働目的はプラス。デンマーク財務省の推計で1人あたり年間、庇護はマイナス約9.5万クローネ、就労はプラス約12万クローネ
- 日本は難民をほとんど受け入れていない。条約難民は1982年からの累計で1,797人、在留外国人412万人の0.04%
- 外国人の生活保護の対象は永住者・定住者・配偶者・特別永住者・認定難民。技能実習も特定技能も対象外
- 正直な但し書き:労働移民でも、低賃金のまま定住して家族を呼ぶと財政はマイナスになりうる(英国の介護労働者、ドイツのトルコ人ゲストワーカー)。だから議論すべきは「外国人ゼロか」ではなく「どんな条件で、誰を入れるか」
- 喩えるなら、同じ「人を迎え入れる」でも、遭難者の救助と社員の採用くらい違う。詩人命救助で金がかかるから社員採用もやめろ、は支離滅裂
- 日本で家族を呼べるのは特定技能2号だけ。2号は試験に加えて、副店長2年や班長経験などの管理経験が必要。2026年6月末で18,295人、特定技能全体の4.1%。欧州のゲストワーカーとは逆の「熟練者だけ通す」設計
こんにちは。永江です。
X で外国人の話を書くと、必ずこういうリプが来るわけです。
「欧州を見ろ。移民で治安も経済もボロボロだ」
「外国人はすぐ生活保護を申請する」
で、詳しく聞くと、だいたい頭の中にあるのは2015年のドイツとスウェーデンの映像。ゴムボートで地中海を渡ってくる人たち。
いや、それ難民ですから。
日本で増えている外国人は、コンビニや工場や介護の現場で働いている外国人労働者。採用面接を受けて、ビザを取って、給料をもらって、税金と社会保険料を払っている人たちです。欧州が手を焼いたのとは、来た理由も、選ばれ方も、制度もまるで違う。
これを混ぜて「外国人は全部ダメ」と言っている。今日はそれをデータで切り分けます。
まず言葉から。
国連の統計上の定義だと、1年以上、住む国を変えた人はみんな「移民」です。短期は3か月以上1年未満。労働者も、留学生も、難民も、駐在員も全部入る。IOM(国際移住機関)に至っては「国際的に広く受け入れられている『移民』の定義は存在しません」と自分で書いているくらいww
一方、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)はハッキリ線を引いています。
難民は武力紛争や迫害から逃れる人。移民は迫害や死の直接の脅威からではなく、主に仕事を見つけて生活を良くするために移動を選ぶ人。難民と移民を混同することは、難民の生命と安全に深刻な結果をもたらしうる。(UNHCR Viewpoint、筆者訳)
ここ大事。国連の難民機関自身が「混ぜるな」と言っている。
で、日本政府はどうか。2018年に安倍首相が国会でこう答弁しています。
政府としては、いわゆる移民政策をとることは考えておりません。例えば、国民の人口に比して、一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策をとることは考えておらず(衆議院本会議、2018年10月29日)
高市さんも2026年2月に「自民党はいわゆる移民政策を絶対推進していない」と言っている。
つまり日本政府の言う「移民」は、家族ごと、期限なしで、国を維持するために大量に入れる政策という、ものすごく狭い意味。国連の定義なら日本はとっくに移民大国なのに、政府は「移民政策はやってない」と言い、反対派は「移民反対」と言い、賛成派は「移民じゃなくて外国人材」と言う。
全員が違う辞書で喋ってる。 そりゃ議論が噛み合うわけない。
もう一つ、日本語の「移民」には特有のイメージがあります。
辞書(デジタル大辞泉)の定義は「個人あるいは集団が永住を望んで他の国に移り住むこと」。そして日本人にとっての移民は、長らく送り出す側の話でした。
- 1868年 「元年者」153人がハワイへ
- 1885〜1894年 官約移民、26回で約3万人がハワイへ
- 1908年 笠戸丸で781人がブラジルへ。戦前のブラジル移住は約19万人
- 戦前の海外移住者は合計77万3,275人、戦後も26万2,078人
食い詰めて、片道切符で、地球の裏側に骨を埋めに行く。それが日本語の「移民」の原風景。戦後の政府は「社会の脱落者」という暗いイメージを消すために、1955年に呼び方を「移住者」に変えたほど。
だから「移民」と聞くと、永住・家族ごと・帰らないというイメージが自動で乗る。3年や5年の契約で働きに来ている技能実習生や特定技能の人を、同じ言葉で呼んでいいのかという話です。
欧州は難民受け入れの歴史が長い。
- 戦後、ドイツには東方から約1,200万人のドイツ系の被追放民
- 1990年代のユーゴ紛争では、EUに来たボスニア人約60万人のうち約35万人をドイツが受け入れ(その後、大半は帰還。2000年5月時点で残っていた3.7万人に在留権はなかった)
- そして2015年。EUの初回庇護申請は125万5,600人、2016年も120万4,300人
人口あたりで見るとこうなります。
| 国(2015年) | 初回庇護申請 | 人口100万人あたり |
|---|---|---|
| ハンガリー | 174,400人 | 17,699人 |
| スウェーデン | 156,100人 | 16,016人 |
| オーストリア | 85,500人 | 9,970人 |
| ドイツ | 441,800人 | 5,441人 |
| EU平均 | 1,255,600人 | 2,470人 |
スウェーデンは1年で人口の1.6%に当たる人が庇護を申請した計算。日本の人口(1億2,265万人、2026年9月1日概算値)に置き換えると、1年で約196万人が来たようなもの(筆者計算)。そりゃ現場はパンクします。
さらに2022年からはウクライナ避難民。2026年7月末時点でEU全体の一時保護が443万人、ドイツだけで129万人です。

ここが本題。欧州の公的・学術的な推計を見ると、来た理由ごとに財政への影響がまるで違うんです。
| 来た理由 | 生涯の純財政貢献 |
|---|---|
| 労働 | +12.5万ユーロ |
| 留学 | −7.5万ユーロ |
| 家族 | −27.5万ユーロ |
| 庇護(難民) | −47.5万ユーロ |
ちなみに日本・北米・オセアニアからの労働移民は+62.5万ユーロ、アフリカからの庇護(難民)は−62.5万ユーロ。同じ「移民」で、1人あたり125万ユーロの差。
(※この研究は右派政党系の研究所の資金が入っている点、公的財政しか見ていない点で批判もある。ただ方向性はデンマーク政府の推計とも一致する)
- 庇護(難民)で来た人:約9.5万クローネのマイナス
- 就労で来た人:約12万クローネのプラス
- 留学で来た人:約1.9万クローネのプラス
デンマーク移民省は、中東・北アフリカ等(MENAPT)出身者が赤字になる理由として、庇護(難民)か家族呼び寄せで来た人が多く、ほかの非西洋出身者は働くために来た人が多いとハッキリ書いています。出身地の問題というより、来た理由の問題なんですよ。
OECDも「最近の労働移民が中心の国のほうが、人道的移民(難民)が中心の国より移民の財政ポジションが良い」と結論づけている。
難民が悪い人だからではありません。構造の問題です。
- 選ばれて来ていない。 労働者は企業が面接して採用する。難民は迫害から逃げてくるので、スキルも言語も選考されていない
- すぐ働けない。 審査が何年もかかり、その間は就労禁止の国も多い
- トラウマと言語の壁。 戦争・迫害の経験、現地語ができない、人脈がない
- 家族構成。 女性の就業率が特に低い
ドイツのIAB(連邦雇用庁の研究所)によると、2015年に来た難民の就業率は9年後でやっと64%(全人口は70%)。男性76%に対して女性は35%。欧州議会の調査局は、難民が現地生まれ並みの就業率に追いつくまで「最大20年」かかると書いています。
ドイツの連邦刑事庁(BKA)の2024年版では、庇護申請者や不法滞在者などの「Zuwanderer」は全容疑者の8.8%。そのうち83%が男性、57%が30歳未満です(報道ベース)。
面白いのはここ。同じ難民でも、ウクライナ人はZuwandererの35.7%を占めるのに、容疑者では12.8%しかいない。 一方、アルジェリア・モロッコ・チュニジアの3国はZuwandererの0.5%なのに容疑者の9.1%。
つまり「難民だから犯罪をする」んじゃない。若い男性の比率、出身地の事情、働けない期間の長さが効いている。デンマーク統計局の年齢調整済みデータでも、非西洋出身の男性移民の犯罪は男性全体より37%高い。ここでも効いているのは「どこから、どういう理由で来たか」です。
で、日本の外国人労働者はどうか。9月の記事で計算しましたが、警察白書から在留資格別に出すと、特定技能は日本人の0.62倍、技人国は1.08倍、就労目的の資格だけでまとめると1.08倍でほぼ日本人並み。働きに来ている人は、働いているんです。

ここを書かないとフェアじゃないので書きます。
- 英国の移民諮問委員会(MAC、2025年12月)の推計では、熟練労働者の生涯貢献は+68.9万ポンドなのに、介護労働者は−3.6万ポンド
- オランダでも、中東欧EUからの労働移民は−5万ユーロ
- ドイツは1955年のイタリアを皮切りに、1961年にはトルコからもゲストワーカーを「一時的な労働者」として呼んだ。でも1973年に募集を止めたら、帰らずに家族を呼び寄せて定住した。トルコ系住民の53%は家族呼び寄せで来た人です
つまり、財政への影響を決めるのは「労働か難民か」というラベルより、学歴・賃金・来た年齢・定住して家族を呼ぶかどうか。難民はそのほとんどで不利な条件がそろうから大きくマイナスになる。労働移民でも、低賃金のまま永住して家族を呼べばマイナスになりうる。
ここで反対派が必ず言うのが「日本も特定技能2号で家族を呼べるようにした。ドイツのゲストワーカーと同じ道だ」。
半分は正しい。でも中身を見ると、ドイツとはまるで設計が違うんです。
まず1号と2号の違い。
| 特定技能1号 | 特定技能2号 | |
|---|---|---|
| 在留期間 | 更新しても通算5年が上限 | 3年・1年・6か月ごとに更新、更新回数の制限なし |
| 技能 | 試験で確認(技能実習2号修了者は免除) | 1号より高い「熟練した技能」を試験等で確認 |
| 家族の帯同 | 基本的に認めない | 要件を満たせば可能(配偶者・子) |
| 永住との関係 | 1号の期間は永住の要件に数えない | 2号は永住ではない。2号の期間は永住申請の要件「就労資格で5年以上」に数えられるだけで、永住は別途審査 |
つまり家族を呼べるのは2号だけ。1号は5年働いたら帰るか、2号に上がるしかない。
ここもよく誤解されるけど、2号は永住権ではありません。あくまで更新制の就労ビザで、仕事を失えば更新できない。永住者になるには別に申請して、原則「引き続き10年以上の在留(うち就労資格で5年以上)」に加えて、素行善良・独立生計・国益適合の審査を通る必要がある。2026年10月の改定では、税金や社会保険料の支払いなども法律上の要件としてはっきり書き込まれました。2号はその入口に立てる、というだけです。高度人材とははっきり区別されている。
しかも、永住に必要な「就労資格で5年以上」には、技能実習・育成就労・特定技能1号は数えないとガイドラインに明記されている。日系人や日本人の配偶者のような身分に基づく資格の例は別にして、現場で働く外国人が就労ビザのまま永住にたどり着く道は、特定技能2号を5年以上続けるルートしかないんです。
で、その2号の人数は2025年末で7,955人、2026年6月末で18,295人。半年で2.3倍ということは、ほとんどが2号になってまだ日が浅い。このルートで永住まで届いた人は、まだほとんどいないはずです(永住許可を受けた人の、許可前の在留資格別の統計は公表されていないので、ここは制度から考えた推論)。
「外国人労働者を入れたら、そのまま永住して家族ごと居座る」というイメージ、少なくとも今の制度では現実とかなり違うんですよ。
で、2号の壁がとにかく高い。入管庁の定義だと2号の技能は「監督者として業務を統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できる水準」。現場のリーダーになれる人しか通さない設計です。
具体的に見ると、
- 外食業:2号の技能試験+日本語能力試験N3以上+飲食店で副店長・サブマネージャーとして2年以上、アルバイトや特定技能の外国人を指導・監督した実務経験(農林水産省)
- 建設:試験に加えて、複数の技能者を指導しながら工程を管理する「班長」としての実務経験。CCUS(建設キャリアアップシステム)の基準がない職種なら職長+班長で3年(645日)以上(国土交通省)
- 介護:そもそも2号の対象外。介護福祉士の国家資格を取って在留資格「介護」に移るルートしかない
外国人がN3を取り、アルバイトやほかの外国人スタッフを指導・監督しながら副店長を2年やる。日本人でも大変ですよ、これ。
結果、どうなっているか。
| 特定技能 全体 | うち2号 | |
|---|---|---|
| 2025年12月末 | 390,296人※ | 7,955人 |
| 2026年6月末 | 444,256人 | 18,295人 |
2号は増えてはいる(半年で約2.3倍)。それでも特定技能全体の4.1%(筆者計算)。分野別だと建設5,329人、飲食料品製造業4,703人、農業2,387人、工業製品製造業2,386人、外食業2,046人の順です。
ドイツのゲストワーカーとの違いはここ。
- ドイツは単純労働者を大量に呼んで、募集を止めたら、多くがそのまま定住と家族呼び寄せに流れた
- 日本の特定技能は、5年で帰るのが基本で、家族を呼んで長く住めるのは試験と管理職経験を突破した熟練者だけ
オランダや英国の推計で見たとおり、財政がプラスになるかを決めるのは学歴・賃金・来た年齢。2号の壁は、まさに「現場リーダー級で、それなりの賃金を稼げる人」だけを通すフィルターになっている。結果として、欧州がハマった「単純労働者がそのまま家族ごと定住」のパターンを避ける設計になっているんです。
もちろん課題はある。2号が増えれば家族も増えるし、配偶者や子どもの日本語教育、学校、社会保険はちゃんと手当てしないといけない。そこは本気でやるべき議論。だから議論すべきは「外国人ゼロか」ではなく、どんな条件で、誰を、どう入れるか。「全部ダメ」で思考停止してたら、その議論すらできない。

で、日本の難民受け入れはどうか。
| 2024年 | 2025年 | |
|---|---|---|
| 難民認定申請 | 12,373人 | 11,298人 |
| 難民認定 | 190人 | 187人 |
| 補完的保護 | 1,661人 | 474人 |
| 人道配慮による在留許可 | 335人 | 525人 |
ドイツは2025年だけで庇護申請16万8,543人、保護率28.1%。
日本の条約難民は1982年からの累計で1,797人。インドシナ難民などを含む保護の総数でも2万2,504人です。在留外国人412万人のうち、条約難民は0.04%(筆者計算)。
ウクライナから来た人も「避難民」という別枠で、入国は累計2,907人。
日本は欧州が経験した「難民の大量流入」を、そもそも経験していない。 欧州の失敗を日本の外国人労働者に当てはめるのは、前提からズレてる。

外国人が生活保護を受けられるのは、法律上の権利ではなく、昭和29年の厚生省通知に基づく行政措置です(2014年に最高裁も、外国人に生活保護法上の受給権はないと判断)。
対象は厚労省によるとこう。
①(略)別表第2の在留資格を有する者(永住者、定住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等)②(略)特別永住者③入管法上の認定難民等(厚生労働省「生活保護における外国人の取扱いについて」)
技能実習、特定技能、技人国、留学は入っていません。 働きに来ている外国人の大半は、そもそも対象外。
外国籍の世帯主の受給世帯は令和6年度で4万7,332世帯(全体の約2.9%)。でも上で見たとおり、認定難民は累計1,797人しかいない。受給者の中心は難民でも外国人労働者でもなく、永住者・定住者・配偶者・特別永住者なんです。
「外国人労働者を入れたら生活保護が増える」は、制度の入口からして成り立たない。
じゃあ「偽装難民」と言われる川口のクルド人はどうなのか。
- 川口市とその周辺のクルド人は2,000〜3,000人とされる(難民支援協会)
- 川口市内のトルコ人は2024年末で2,206人、うち仮放免者717人(河野太郎議員のブログが入管庁データとして紹介)
- トルコとは1958年1月発効の取極で査証免除。ビザなしで短期滞在入国でき、その後に難民申請する人が多い(※この因果の書き方は報道ベース、要確認)
- トルコ国籍のクルド人が初めて難民認定されたのは2022年。札幌高裁の判決を経てのこと
政府の対応はこの3年でかなり厳しくなっています。
- 2024年6月 改正入管法の施行。 3回目以降の難民申請者は、申請中でも送還できるようになった
- 2025年5月 「不法滞在者ゼロプラン」。 護送官付きの送還を3年後に倍増させる目標
- 2025年の実績。 護送官付き送還318人のうちトルコが最多の71人。退去強制が確定した人もトルコが765人で最多(22.7%)
- 2026年1月 埼玉県知事が外務大臣に、トルコとの査証免除の一時停止を要望
ポイントは、これは難民制度の運用の問題で、外国人労働者の問題ではないということ。審査に何年もかかり、その間は働けない「仮放免」で宙ぶらりん。これは欧州が失敗したパターンそのもの。必要なのは審査を速くして、認定すべき人は認定し、帰すべき人は帰すことで、ゼロプランも「2026年中に新規申請の処理を平均6か月以内」を目標にしています。
これを理由に、コンビニで働くベトナム人留学生や、工場で働く特定技能のインドネシア人まで追い出せと言うのは、筋違いもいいところ。
難民と外国人労働者は、来た理由も、選ばれ方も、使える制度も、財政への影響も全部違う。
そして、日本にいる外国人の中身を数字で並べるとこうなります。
| 人数 | 在留外国人412万5,395人に対する比率 | |
|---|---|---|
| 外国人労働者(2025年10月末) | 2,571,037人 | 約62% |
| 条約難民として認定された人(1982年からの累計) | 1,797人 | 約0.04% |
| 難民・補完的保護・人道配慮・定住難民の合計(1978年からの累計) | 22,504人 | 約0.55% |
日本にいる外国人のおよそ2,300人に1人しか、条約難民として認められた人はいない。 6割以上は働いている人です。欧州の「難民の失敗」を日本に当てはめようにも、当てはめる相手がほとんどいないんですよ。

喩えるならこうです。
同じ「人を迎え入れる」でも、遭難者の救助と社員の採用くらい違う。
救助は相手を選べない。お金もかかる。元が取れるからやるんじゃなくて、やらなきゃいけないからやる。日本も難民条約に入っている以上、それは義務です。
採用は違う。面接して、選んで、稼いでもらうためにやる。
しかも救助の現場には、遭難したふりをしてヘリを呼ぶ人もいれば、救助されたのに救助費用を踏み倒して居座る人までいる。
日本でも、2025年の難民申請11,298人のうち1,305人(約11.6%)は、過去にも申請したことがある人で、最多は7回目。退去強制が確定しているのに日本を出ていない人は、2025年末で3,369人います(入管庁)。もちろん再申請の全員が「ふり」とは限らないし、国の事情で帰れない人もいる。でも、申請を繰り返せば送還されないという抜け道があったのは事実で、だから2024年施行の改正入管法で、3回目以降の申請者は申請中でも送還できるようになった。
救助する側が厳しく線を引くのは当然です。本物の遭難者はちゃんと助ける。ふりをした人と、踏み倒して居座る人には帰ってもらう。救助への信頼を守るためにも、ここは甘くしちゃいけない。
欧州は救助の規模が大きすぎて、財布が苦しくなった。そこから学ぶべきは「救助をどう速く、どう適切にやるか」です。審査を速くして、保護すべき人は保護し、帰すべき人は帰す。川口の問題もまさにそこ。
ところが、それを見て「救助で金がかかったから、会社の採用もやめろ」と言っているのが、いまの移民反対論です。
採用をやめた会社がどうなるか。店は閉まり、工場は止まり、現場は回らなくなる。9月の記事で試算したとおり、働く外国人がいなくなったらGDPは3年で約5%減る。
救助と採用の区別もつかないまま、「外国人は全部ダメ」と叫んでいるあなた。それ、日本を救うどころか沈めにいってますよ。
もうね。東京も千葉も長靴が必需品です。ワークマン履いてたんですがちょいカッコいいのが欲しくなってコロンビアの買いました。いいです。日本人の足にも合います。今月一番履いてるかもしれない。
- 原典確認済み:約117件(入管庁、総務省、厚労省、農林水産省、国土交通省、Eurostat、デンマーク財務省、IAB、衆議院会議録ほか)
- 報道・二次情報ベース:約13件(ドイツBKAの数字はTagesspiegel報道、川口のクルド人の人数は難民支援協会、川口市のトルコ人数は河野太郎議員のブログ経由の入管庁データ)
- 特定技能の2025年12月末の全体数390,296人は民間の速報ポスト経由(2026年6月末の増加率13.8%とは整合)
- 確認できなかった主なもの:UNHCRの人口あたり受け入れランキング、BKAのZuwandererの人口比、生活保護の国籍別の最新内訳、トルコ査証免除停止への政府判断
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2026年10月5日の記事より転載させていただきました。









コメント