金(ゴールド)は今年1月に5600ドル台の高値をつけてから弱含みの相場が続き、現在は4200㌦台程度になっています。私はちょうどその頃に持っていた金関連株をほぼ全て売却したのですが、ピークのタイミングが取れたのは長年金相場を見ていて起こりえないほどのブームとなっていたのが分かっていたからです。そして過度なブームは必ず収まり、価格も反落するのはセオリーであります。

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私は今年の春ごろに金相場は1年は戻ってこないだろうと申し上げました。一度極めて大きな買い圧力で買いあげられるとその高値を奪回するには時間軸、ないし更なるパワーのどちらかが必要ですが、私は現在の金相場にそれはないとみています。
もう1つは金利上昇局面において金利がつかない金はどうしても輝きがくすんでしまうのです。少なくとも金利上昇局面において金利の天井が見えるまでは金相場が再度大きく着目されることはないと思います。
但し、金は大きく下落することもなく、また今後、ビットコインと共に居所を大きく変える要素はあると考えています。
その理由の一つが政府発行の通貨に対する信用収縮であります。
多くの国家が政府通貨を発行しますが、それに対する財務状況で黒字の国家は割と少ないのが現状です。黒字が目立つのはノルウェー、UAEといった資源収入がある国、及びシンガポールやデンマークといった税率が高く、歳出コントロールをしている国などがあります。これらの国の通貨は問題ありません。
では日本やアメリカはどうかと言えば基本は自国通貨建てで国債を発行しているので大丈夫でしょう。ただそうは言っても国債の利回りには大きな影響があり、現在のように利回り急騰⇒利払いの財政負担増⇒アメリカのように歳出が必要なところまで十分に回らない、あるいは日本のように膨張する国家予算を毎年計上しなくてはいけないことになります。
あくまでも国債を誰が引き受けるかという観点からするとあまり国債発行額が多すぎると供給に対して需要が十分ではなく、入札不調が起きることもあります。
また自国通貨で国債が発行できないトルコやアルゼンチンのような国になると極端な為替変動や国内の物価変動に見舞われることになります。
さらに近年は戦火があちらこちらで起き、経済活動もグローバル化の時代からブロック化ないし自国中心主義が起きれば地球儀ベースで見る世界経済はまだら模様となり曇天、雨天になりやすくなり、見えないリスクが生じます。
そのため、国境なき資産形成として金は極めて優れた能力を備えているとも言えるのです。ビットコインのような暗号資産についてもその投資環境の整備が進めば同様になります。その点においてリスクヘッジとして金や暗号資産は潜在性は高く、金価格もビットコインの価格も大崩れしないのであります。
リスクヘッジなので投資の主役にはならない、という点に意味があるのです。昨年末から今年初めの金ブームは名脇役が主役に抜擢されたようなもので本来ではあってはならない事態だったとも言えます。逆に金が主役になるということは世界が荒れているともいえるのです。事実、その後にイラン戦争が起きたのですが、皮肉なことに金はその時点で既にピークアウトしてしまったのです。つまり買いエネルギーが続かなかった、言い換えれば金の需要の底は知れているとも言えます。
では金相場はどこが底か、チャートを見る限り4000㌦が大きな節目になっています。今年後半にかけて世界で金利上昇局面が続くはずですで金相場には厳しい局面が続きます。金利上昇サイクルが極端にならず、また来年春ぐらいまでにピークが見えてくるようならば仮に4000㌦を切るタイミングがあれば長期投資という観点では絶好のチャンスだとみています。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年10月6日の記事より転載させていただきました。







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