フランス各地で暴動:財政危機が学校への不満から移民問題に発展

ダニエル グラント

フランス各地で高校生を中心とする抗議運動が広がり、一部では放火や破壊行為、警官隊との衝突に発展している。10月6日には全国で25万人以上がデモに参加し、488人が拘束された。

平和的なデモが破壊行為に発展

運動は9月中旬、パリ郊外の高校のデモから始まった。SNSで映像が拡散し、各地で学校の入り口を封鎖する行動が相次いだ。背景には、教員の欠勤や欠員が補充されず授業がなくなること、教室の過密、施設の老朽化など、長年積み重なった不満がある。

AFPの取材では、机や椅子が足りず、トイレには扉や石けんさえないと訴える生徒もいた。FNNも、代替教員がおらず、暖房の修理も進まないという女子高校生の声を伝えている。抗議の中心にあるのは、財政危機で公共サービスが十分に機能していないことへの怒りである。

多くのデモは平和的に行われ、保護者や教員も生徒の要求を支持しているが、一部では学校への放火やバス停の破壊が起きており、教育省によれば、運動開始以来、24校が放火や荒らしの被害を受けた。

教育予算を圧迫する財政事情

政府には財政上の制約もある。ロイターによると、2027年予算案の教育予算は教員年金を除き655億3000万ユーロで、増加率は1.7%と物価上昇率を下回る。一方、国債の利払いなど債務返済費は745億ユーロに達する見通しだ。名目上の増額だけでは、教育現場の購買力が改善するとは限らない。

ここには、借金を重ねた政府が利払いに追われ、将来世代への支出を増やしにくくなるという問題が表れている。教育予算の拡充を訴えるだけでなく、限られた財源をどこに配分し、教員の採用や配置をどう改善するかが問われている。

移民問題やパレスチナ問題に発展

運動は2027年の大統領選を前に、政党間の対立にも巻き込まれている。左派の「不服従のフランス(LFI)」は抗議を支持する一方、政府側から向けられた運動を組織したとの指摘を否定している。

デモには移民が多い。パレスチナの旗を掲げてハマス支持を訴える暴徒も見られ、学校の問題から移民問題に広がってきた。警察の対応も新たな抗議の対象になっている。

北部ランスでは15歳の少年が警察の手投げ弾に関連する負傷で手を失ったと報じられたが、具体的な経緯は捜査中だ。人権団体は過剰な実力行使を批判し、警察側は暴力行為に対する治安維持の必要性を主張している。

ルコルニュ首相は、授業の欠落防止や施設改善、学校生活の見直しなどの対応方針を示した。今回の騒動は、公共教育への不満が、政治への不信と結びついて噴き出したものといえる。

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