90代配達員が配る「しんぶん赤旗」廃刊危機を共産党が認める

日本共産党の田村智子委員長は、2026年10月12日から始まった第10回中央委員会総会で、機関紙「しんぶん赤旗」について「発行の危機、非常に切迫しています」と述べ、配達・集金の困難が増大している現状を報告した。

特に配達現場では「90代の方が配っていて非常に危ない」「命にも関わる問題にもなるという事態が現に生じています」と、高齢配達員の安全問題を自ら明かした。

発行部数は公称15万部で大赤字

田村氏の発言は、同総会での「しんぶん赤旗中心の党活動の発展方向」に関する報告の一部だ。紙の新聞は電子版の発行を支えるためにも維持が必要だと強調しつつ、全党で紙を守る努力を呼びかけた。

一方で免許返納済みの高齢党員らが暗がりの中で配達している実態に触れ、対応策として以下の3点を提起した。

  • 朝7時までの配達を原則としつつ、読者の同意を得て配達時間を柔軟にする(夕方までの配達もあり得る)。その場合は電子版との併用を促す。
  • 業者への委託を活用する(ただし集金は支部が担う)。
  • どうしても配達が難しい場合は電子版への切り替えを進め、集金・連絡が可能な形を追求する。

「しんぶん赤旗」の発行部数は長年減少を続けている。ピークの1980年代には日刊紙と日曜版合わせて350万部超に達したとされるが、近年は日刊紙約15万部、日曜版約62万部程度と報じられている。

日刊紙は長年赤字が続いており、日曜版の収入や支援募金(2025年に10億円目標を呼びかけ、達成したとの報告あり)で支えてきた。2026年6月からは日刊紙の基本ページ数を14ページから12ページに減らす措置も取られた。

配達員はボランティアで高齢化

配達は主に党員や支持者による活動として行われており、過去には約13万人規模の参加者がいた時期もある。商業新聞と同様の早朝宅配を目指してきたが、読者・党員の高齢化と部数減が重なり、担い手不足が深刻化している。

想像図

一般の新聞配達でも高齢者中心の現場が増えているが、赤旗の場合は党活動の一環でボランティアでおこなわれているケースが多い。

総会では野党共闘路線の扱いなど党の基本方針も議論されたが、赤旗問題は党勢維持の基盤に関わるだけに、現場の負担と安全性の問題が改めて表面化した形となった。

紙の維持を優先しつつデジタルへの移行を進める方針は示されたものの、90代が命の危険にさらされながら配達を続ける現実に対し、根本的な解決策となるかは今後の展開次第だ。

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