ICPF・新たな時代の電波政策 ― 山口 巌

アゴラ編集部

昨日午後半休を取得しICPFのシンポジュームに軽い気持ちで出かけたが、中身はかなり重いものであった。パネリストの一人夏野氏の軽妙、洒脱な説明と国の将来を思う熱い気持ちに感銘受けたので何とか最後まで頑張れた。内容は下記;
■電波オークション:

=注目したポイント=

1.アメリカでは国家成長戦略が先ずありきで電波の割り当ても当然それに準拠。従って、現政権に影響力持つ前FCC長官も現在テレビに割り当てられてる帯域の一部をブロードバンド使用帯域に転用するよう勧告してると。

※具体的にはホワイトスペースの無線通信への割り当てか?

2.OECD加盟国ではスペインと日本のみが実施してない。

3.実施した国は当初は問題抱えたが結果全て成功している。

4.日本で実施出来ないのは既に電波の割当を受けてる既存事業社の抵抗に因るもの


=考へた事=

1.希少資源である電波帯域は成長性高い所から順次割り振られるべきである。

2.とは言えこれを行政に委ねると従来の経験からしていろんなバイアス・ノイズが入って期待された結果に程遠いものとなる。

3.従って、現実的対応としてはオークション以外無いのでは無いか?何故なら、高い金額提示出来ると言う事は事業計画に於いて高い成長性・収益性が見込まれている訳で。。。

4.しかもスペインと日本を除く全ての先進国での成功実例あり。

5.それにしてもこんなに重要な事が国民レベルでは殆ど浸透してない。明らかにマスコミの機能不全、戦線離脱であるが我が身可愛さが背景にあるのであろう。

6.本件余り時間無いが政治家はきちんと理解してるのだろうか?→その後道歩いてたら偶然民主党・日高副幹事長と遭遇。本件問い質した所、きちんと理解されており「まあ~その方向(電波オークション)」で進むのではとの回答。政権与党幹部がきちんと理解しており方向性も間違って無い訳でこれは朗報!
■携帯電話事業へのインパクト:

=注目したポイント=

1.夏野氏より国際標準を可能とする900MHZ帯に20MHZ(登り10MHZ&下り10MHZ)割当可能との説明。

但し、この帯域は1キャリアーのみ取得可能。

2.同様夏野氏より国内携帯メーカーの不振がキャリアーの政策(俗にガラパゴスと称される)に因る物との説明あるがこれは間違い。韓国のSAMSUNG,LGの例に倣い海外に果敢に撃って出るか或いはその覚悟無くば撤退すべき。要はキャリアーとメーカーをアンバンドルで考えるべき。

=考へた事=

1.成程メーカーの不振はテレビでも似たような状況で別途根本問題ある筈。

2.キャリアー未来予想図(私の勝手な考えでキャリアー毎サービス特色を鮮明化すればと言う趣旨);

A社:世界標準-900MHZ帯に20MHZ(登り10MHZ&下り10MHZ)割当受け下記を目玉に販促:

●国際ローミング

●世界で使用可能

●世界規模で生産される多彩で、廉価な端末が使用可能

B社:国内特化-日本人好みのサービスと優れたQOSで勝負。

サービス開発はとことん深堀し世界が憧れるサービスを追及

C社:今の所イメージ沸かず。。。
山口 巌 会社員

コメント

  1. mtcrk より:

    こういう話題を提供くださってありがとうございます。電波帯域の話題は専門用語も多く、マスコミが絶対に遡上に乗せないため、ネット上でさえ広範な議論になりにくい。実はわが国の既得権構造の最も矛盾と欺瞞に満ちた分野だろうに・・。
    テレビ局がどんな詭弁を弄して反対し続けるのか、テレビに批判ばかりされているように見える旧郵政官僚、現総務官僚(局員よりは圧倒的に激務、薄給)が、実は大嫌いなはずのテレビ局員の利権を守るためにどうして政策的にテレビ側に立ったものばかり出してくるのか、ぜひわかりやすくご教示くださいませ。