1.野田氏「水中」は“万年野党”の意
一昨日の仕事始めの挨拶で民進党の野田幹事長が「われわれの立場はもう背水の陣ではない。すでに水中に沈んでいる」と述べたことが話題になっています。神津連合会長も昨日、野田発言について「(その危機感に)非常に共感する」と仰ったという。私は、もう浮上せず、沈んでいてただきたいと思います。
そもそも「背水の陣」の語源は中国の史記『淮陰侯伝』の故事。趙と戦う漢の兵士が“寄せ集め”ばかりだったため、川を背に陣を敷いて兵士達が退けば溺れる“捨て身”の態勢を布いたことに由来します。つまり、野田幹事長の「水中に沈む」とは「万年野党に甘んじる」ということ、再浮上はムリなのです。
野田幹事長は、「水中」との自虐ネタに続いて「もう一回、二大政党の一翼を担っているといわれる時代を作っていこう」と奮起を促したと報じられていますが、嘘つきとダブスタの民進党には逆立ちしても無理です。私は、むしろ、地方政治における改革勢力を結集し二大政党の一翼を担うべきと考えています。
2.今年は地方政治の“改革元年”
ネット調査では既に野党第一党に位置する日本維新の会。紆余曲折はありましたが、地域政党大阪維新の会から始まった原点、理念、政策を改めて確認し合い再出発しているところ、昨年一年間は、腐敗した地方議会が大阪府市だけでなく東京都、富山市など全国の地方議会に及んでいることが露わになりました。
逆に言えば、「55年体制」とその亡霊たちの下で、全国の地方議会の既存政党と既存政治家は、有権者の知らぬところで甘い蜜を吸ってきたわけで、その改革は、大阪府市を除けば今年が“改革元年”となるわけです。東京都の小池改革の帰趨は分かりませんが、伏魔殿にメスが入ることは確かだと思うのです。
3.新旧勢力が衝突する2017年
そうした地方政治の腐敗を許してきたのは当に自民党の古い政治。これから日本政治の二大勢力は、中央集権の自民党傘下に安住する旧勢力と、地方の自立の主体者たる全国の新しい改革勢力だと思うのです。それもかつての革新首長とは全く異なる、松井知事や小池知事、吉村市長のような本格的リーダーたち。
今年の干支は「丁酉(ていゆう)」。安岡正篤先生によると「丁」の上部「一」は旧勢力、下部の「亅」はそれに対抗する新勢力を意味し、「丁」は新旧勢力の衝突という意味があるそうです。自民党の傘下に安住する旧勢力に対抗し地方の自立のために戦う全国の新勢力にとって今年は大事な年になりそうです。
編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2017年1月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。