トランプ大統領が就任してから米国の環境政策に大きな変化が起きている。なぜか我が国のマスメディアは一切報道しないが、海外では多くのニュースが流れている。
CNBC(1月21日)「ホワイトハウスのウェブサイトから気候変動に関するページが消えた」トランプ大統領は地球規模の気候変動が本当であるか疑問に思っている。気候変動対策などは有害で不必要だとして、排除するように全力で取り組んでいる。
Global News(1月25日)「トランプ政権はEPAサイトの気候変動ページの削除を命令した」ウェブサイトから気候変動のページを削除するようにトランプ政権が連邦環境保護庁(EPA)に指示したと、2人の職員がロイター通信に語った。これは、オバマ大統領の気候変動イニシアチブを消し去ろうとするものだ。
Business Insider(1月23日)「トランプ政権にはEPAによる研究委託を廃止する計画がある」EPAが科学研究に資金を提供することを禁止し、外部研究成果の活用方法を全面的に変更する計画をトランプ政権が立てていると、Axiosが報道した。
当然、このような動きに抵抗しようという人々もいる。
Independent(1月27日)「トランプ政権が突然キャンセルした気候変動サミットをゴア元副大統領が主催する」米国疾病管理予防センター(CDC)は気候と健康に関するサミットを今週初めにキャンセルした。気候変動に懐疑的なトランプ政権からの政治的報復を恐れてCDCがこのイベントを取り消した、と非難する科学者もいる。しかし、ゴア元副大統領は2月16日にジョージア州アトランタで首脳会議を開催すると述べた。
BBC(1月26日)「NASAの一部がトランプと気候変動で戦っている」トランプ政権はEPAを含むいくつかの政府機関が人々とコミュニケーションするのを制限した。EPAの公式ツイッターアカウントは、トランプ就任の前日以降更新されていない。そこで、一部の職員がNASAやEPAの名を借りて非公式のアカウントを作り、大統領を直接攻撃している。
すでに昨年のうちに危惧を感じていた人たちもいる。
ネイチャー(2016年12月20日)「米国の地球科学者はトランプ政権での不確実な未来に備える計画を立てた」気候学者は、トランプ人事は気候科学に対する戦争だと感じ非常に怒っている。研究者は、NASAが持つ地球温暖化記録や米国海洋大気庁(NOAA)が保有する古気候アーカイブをコピーして保存しはじめた。
「気候変動は偽ニュースだ!」と客観的に証明するためにも、科学研究が必要なはずだ。そのような科学研究も行わずに関連情報をあっさり消し去るのでは、言論統制に乗り出したようなものだ。トランプ政権の動きは科学研究そのものを否定するものであり、大きな問題である。