拙著「説得の戦略」で詳細に書いていますが、色が人に与える影響は想像以上に大きいのです。
トランプ大統領は、大統領選の時に赤のネクタイをしていることが多かったですよね。これは”パワータイ”と呼ばれ、赤が「やる気」や「情熱」を見る人に与える効果を狙っています。
ちなみに、数年前、新宿の伊勢丹で店員さんに”パワータイ”を出してもらって、買い求めたことがあります。講演の時に使おうと思ったのですが、あまりにも鮮やか過ぎる赤なので、到底私には似合いませんでした。メイクをしてテレビ出演でもするのであればマッチするのでしょうが、普段使いであれば控えめの赤の方が実用的です。
青は冷静なイメージを与えます。トランプ大統領に限らず、歴代大統領は青色のネクタイも頻繁に使っています。自分自身のスキャンダルについて釈明する時や、テレビを見ている国民に冷静に話を聞いて欲しい時に使うことが多いようです。
ビジネスなどで相手と冷静に話をしたい時は、青色のシャツを着たり、青を基調としたレストランや部屋を利用するといいでしょう。
謝罪の場面ではグレーです。グレーは見る人の気持ちを穏やかにするので、気持ちを鎮める効果があります。企業の謝罪会見では、必ずグレーのネクタイをしている人が一人はいるはずです。間違っても赤のネクタイをしてはいけません(笑)もし謝罪の場面でグレーが一人もいなければ、アドバイザーの怠慢と考えてもいいでしょう。
黒は威厳と信頼を相手に与えます。代表的なのは、裁判官の法服です。法服に黒を選んだのは「何色にも染まらない中立性」という意図があったのですが、現実には威厳を与える効果が出ています。就活生が黒のスーツを着るのは、面接官に「信頼」を与える効果があるからでしょう。
黄色は相手に親近感を与えるコミュにネーションカラーと言われています。これから親しくなりたい異性と食事をするような場面では、さり気なく黄色を添えてみましょう。明るい黄色である必要はありません。ベージュに近い落ち着いた黄色でも問題ありません。相手が黄色っぽいシャツやブラウスを着ている時と、黒っぽいシャツやブラウスを着ている時を想像してみましょう。黄色っぽい色の方が安心して話ができると思う人がほとんどのはずです。
このように、色彩効果は相手に大きな影響を与える割には、自分で簡単に組み合わせることができます。是非、利用してみて下さいね。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年6月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。