内賓と外賓、二重価格のある中国 - 小谷 まなぶ

小谷 まなぶ

中国もインターネット社会になっており、インターネット経由でホテルの予約、航空券の予約など、旅行に関する一切の予約、決済を完結できるサイトが多数ある。その中でも大手であるctrip や elong と言うサイトの人気は高く、多くの中国人が国内外の旅行に出かける際に、これらのサイト使って予約をしている。


 中国在住の日本人の間でも、中国語が理解できる人は、これらのサイトからホテルの予約を入れるケースが多い。価格面やサービス面で充実しているということ。そして、情報量が非常に多く、まとまっているので、中国語さえ理解できれば、非常に便利に使えるので重宝している。
 私自身も、中国国内の旅行や出張に出かける際には、中国の旅行予約サイトでホテルを予約して出かける場合が多い。
 先日、上海のあるホテルを予約しようと、ネットで検索していると非常に安い価格で、5つ星ホテルの価格が出ていた。思わず、『これならかなりお得だ』と思って、すぐに、ネット経由で予約を入れてみた。すると、すぐにコールセンターから電話がかかってきて、『お客様は、外賓(外国人)ですよね。外賓は、この価格で予約できません。内賓(中国人)のお客様向けの特価ですので、外賓の方の価格は、こちらになります。』と紹介された。
 紹介された価格は、通常の価格で、普通割引しかなかったので、お得感がなくなった。
先日も、中国で香港行きのツアーに申し込んだときに、同じようなことを言われた。『3泊4日の香港ツアーの価格は、内賓(中国人)は、1800人民元、外賓は、1000元加算されて、2800人民元になります。』と、
 今、中国国内の旅行業界では、超特価価格での提示は、外国人には、適用させない傾向が強くなってきた。今から10数年前は、外国人価格というものが、普通に存在していたが、数年前までそのような話は、ほとんどなくなっていた。北京オリンピック、上海万博と大型イベントがあり、外国人旅行者も増えたこともあり、旅行に関しては、外国人価格の制度が復活してきたように思う。旅行業者としては、中国人社会における市場価格の競争が激化しているので、利益を薄くしても市場獲得の為に、安売り合戦を行っている。しかし、外国人旅行者に関しては、利幅を求める傾向が強くなってきている。旅行業者の言い分も分かるが、二重価格というのは、外国人旅行者としては、どうも気持ちが良くない気がする。儲け所は、外国人ということだろうか?
 

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