上海に集まってくる人々の幸福度 - 小谷 まなぶ

小谷 まなぶ

 中国最大の経済都市である上海。この街には、中国全土から、仕事を探してやってくる。先日、上海で働いている『新上海人』といわれる地方出身の中国人対象にアンケートが行われた。その結果は、以下のとおりである。


 中国の地方から上海へ来て、就労している人の5割以上が、すでに、『私は、上海人だ。』『私は、半分は、上海人になっている。』と認識しているということである。
 また、外地から来た人の8割以上が、『上海語が理解できる。』と話している。

※外地人とは、上海以外の地域から来た人、地方出身者のことを指している。
 
 また、上海での生活に関して『幸福である。』もしくは、『やや幸福である。』と答えた人が、全体の54.7%であった。『まあまあ、満足している。』と答えた人も、42.2%である。
 調査対象であった人の 89.4%の人が、『安定した職業を持っている』と答えたそうである。
 収入面で言えば、調査対象の平均月収は、2,500人民元(32,500円)で、月収で5,000人民元(65,000円)以上の収入がある人が、全体の15.6%であった。
 
 上海市の最低賃金が、1120人民元(14,560円)ということを考えても、通常、上海に来て就職している人の多くは、上海の最低賃金の2倍以上もらっていることになる。しかし、外地人にとって、上海における生活に関する苦悩は、家賃が高いことである。上海市の中心地で、安価なワンルームマンションでも、2000人民元程度する。ワンルームマンションといっても、ローカルな人が住む古いアパートでの価格である。割合、綺麗で、外国人でも住めると思うようなマンションになると最低4000人民元以上の価格をつけているのが、上海の不動産の賃貸料である。地方出身者が上海で就労する場合、多くは、家賃の問題からルームシュアをして部屋を借りている。
 生活の多少の窮屈さがあっても、上海という大都市に残って働きたいと思っている人は、非常に多いと、このアンケートでも書いていた。
 特に上海に来て働いている女性の72.5%が、将来的にも上海の残って働きたいと考えていると答えた。
 大都市、上海は、女性にとって、非常に魅力的な街なのかもしれない。
 先日、日本の某テレビ局のインタービューで、『日本人女性の上海における起業』というテーマで話をした。
 中国人女性にとっても『魅力的な街』上海であるが、日本人の女性もなぜか上海に来て長期間働きたいと願っている人が多い。正式な数は分からないが、20代、30代の日本人女性が、1万人以上、上海で働いている
そのような女性の中には、上海での起業という目標を掲げている人も多い。いずれにしろ、上海は、外地から来る多くの人を魅了する街であることは、間違いないようである。
 
1人民元=13円換算
 
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