中国では春節の時期ですが、日本でも節分の豆まきのイベントなどによって、1年の節目が変わるものとされています。特に大きな神社やお寺では年々イベントが大規模化され、芸能ニュースなどで取り上げられる機会が増えていますが、その要因をまとめました。
1)先行き不安や身辺の災厄を払いたい
江戸時代の「お伊勢参り」の影響もありますが、日本では不況や時代の閉塞感が強まると神社やお寺参りを行う数が増える傾向が見られます。健康・仕事・人間関係など将来の先行き不安への癒しや、身の周りにある災厄を振り払いたい、といった心境から現れているものと思われます。
2)地域の街おこし
都市部・地方ともに、高齢化によって地域行事が次第に成り立ちにくくなっている環境がありますので、地域の街おこしの一環として年中行事の中に取り込めば、イベント性と観光などの集客といった効果が見込まれます。
3)神社・寺における参拝者の新規開拓
少子高齢化や人口減少の影響は神社やお寺の世界にも共通しており、氏子や総代・または檀家なども影響を受けていますことから、「有名な芸能人がやってくる」といったことから、若い参拝者を増やして、初詣やお守りなどによる新規開拓などの面も見られます。
4)芸能人などマネタイズの多チャンネル化
もともと節分の豆まきは、年男・年女もしくは奉納相撲の伝統から力士が行うのが一般的でした。ところが数年前から集客と話題づくりから芸能人やタレントが増加し、鶏と卵の関係で芸能ニュースの取材が大きくなるにつれて、より芸能人の登場が増えています。特に今年は芸能人の結婚や離婚などで、より扱いが多くなりました。
特にここ数年は既存メディアの経営が厳しくなっていますので、ファンとの交流やイベント参加によるマネタイズの多チャンネル化が、節分の豆まきの世界にも影響しています。
年中行事となっている節分の豆まきの中にも、日本の縮図が見られますが、特に既存メディアの衰退に対して、意外と芸能人や一般人のほうが変化に対して柔軟かつ自然に対応しているのが印象的です。音楽業界に限らず、これからはテレビなどの媒体を介さず、イベントなどによる直接的なやり取りが、ビジネスの1つになっていくものと思われますが、同時に参入障壁などで今まで守られていた既存メディアが、相当に厳しくなっていることがうかがえます。