福島原発事故の被害は、大震災の中では小さなものですが、今後の日本の(あるいは世界の)エネルギー政策への影響はきわめて大きいでしょう。この問題については「絶対安全」を求める人々と、そういう言論を報じ込めようとする電力会社や行政が対立し、まともな論争が行なわれてこなかった。
再生可能エネルギーへの期待もありますが、それが原子力をどこまで代替できるのかには疑問もあります。石油や石炭や天然ガスには、価格や供給量の制約があります。「アゴラ」では今までのタブーを無視し、リスクと経済性を客観的に評価して日本の今後のエネルギー供給をどうするかを論じる投稿を募集します。投稿規定はこちら。
コメント
投稿するほどの内容ではありませんが、基本は以下の通りでしょう。
1.当面の策。
休止発電所の再稼働
民間の小規模自家発電
2.中期的
化石燃料への依存(石油とLNGのほか、石炭が有望)
3.長期的
原子力
国民投票が良いでしょうね。
1.直ちに代替火力を建設し、即座に全原発を停止する
・今後20年間、電気代が1.5倍程度になる
・原発解体コストによっては、更に0.5倍程度が上乗せされる可能性がある
・化石燃料の価格変動による変動幅が現状の2~5倍程度になる
・製造業が海外へ移転し、失業が増加する(経団連が見込みを提示)
・低コストの新エネルギーが開発されれば、順次移行する
(その場合も、原発の償却・廃棄コストは負担し続ける必要有)
2.全原発の見直し・改修、代替エネルギー開発を進める。原発新設停止
・東電管内は、今後10年間、電気代が1.2倍程度になる
・東電管内は、原発解体コストによっては、更に0.2倍上乗せ
・東電管内は、化石燃料の価格変動による変動幅が現状の2~4倍程度に
・製造業が関東から西日本へ移転する(経団連が見込みを提示)
・東電以外は、今後10年間、電気代が数%上がる
・東電以外は、原発解体コストによっては、更に10%上乗せ
・東電以外は、化石燃料の価格変動による変動幅は、ほぼ現状のまま
・低コストの新エネルギーが開発されれば、順次移行する
(その場合も、原発の償却・廃棄コストは負担し続ける必要有)
3.事故発生以前の計画どおりに、原発を推進する
・東電管内は、今後10年間、電気代が1.2倍程度になる
・東電管内は、原発解体コストによっては、更に0.2倍上乗せ
・東電管内は、化石燃料の価格変動による変動幅が現状の2~4倍程度に
・低コストの新エネルギーが開発されれば、順次移行する
(その場合も、原発の償却・廃棄コストは負担し続ける必要有)
数値は適当ですが、こんな感じで選択させるのが良いかと。
夏の計画停電までに実施すれば、投票率は8割を超えるのではないでしょうか。
中期的に非常に有望なものとして、石炭ガス化複合発電(IGCC)があります。まだ開発中ですが、実現は遠くなさそうです。
ここの議論でかなり共有されている重要な前提、「太陽・風力は使いものにならない」。
それ自体、どのような根拠でしょうか。逆に原発をなくし太陽光と風力に、という人々も、それができるという根拠は?
また洋上風力、デザーテックなど、今の技術でもやる気さえあればできることがあるのに見ていない、頭から何となく否定しているだけ、ということは?
その判断は本当に正しいのでしょうか。どんな根拠で確信しているのでしょうか。どの専門家が、それをはっきりできるのでしょう。
それを徹底的に、議論より実証的な検討を行うべきです。
新しい抗がん剤が効くかどうかは、理論ではなくランダム化プラセポ対照二重盲検臨床治験こそが決め手なのです。
そして、もし「代替エネルギーがない」のだとしたら、それは人類全体にとっての、緩慢な死刑宣告です。
温暖化がないとしても、石油も、石炭も天然ガスも、いつかは枯渇します。
今の震災事故での危険視が大げさでリスクとコストの問題にできるとしても、ウランもいつかは枯渇します。
そのときの子孫は、ほとんどが死んで生き残りは薪炭に依存し、電気も化学肥料もない悲惨な暮らし、大きな気候変動に対処する希望がなく、金属鉱脈の枯渇で争いながら緩慢に滅んでいく未来しかないのでしょうか?
将来の技術を言うなら、なぜ今それができないのでしょうか。未来であっても物理法則は変わらないはずです。
もし本当に、代替エネルギーがないのだとしたら……遠い悲惨な未来を、考えなくてもいいのでしょうか。