海外で起業する人の視点

小谷 まなぶ

最近、身軽な海外進出ということで、『香港法人の設立』が非常に人気があります。


 その人気の理由に、いくつかあります。一つは、新しく起業する際に、海外を中心に事業をする人にとって、香港のオフショア法人というのは、外国で法人口座を持つには、非常に手軽でメリットがあること。オフショア法人は、基本的に企業所得税などがかかりません。また、設立に関しても、外国人1名の名義で設立可能で、パスポートのコピー1枚あれば、登記可能という書類を集める手間も要りません。
  対中ビジネスをする際にも、受注は、中国国内から受けない場合、すなわち、日本や、その他の国からの受注を受けて、中国へのアウトソーシングで事業委託する場合にも、中間で利益を落とすことのできる企業として香港のオフショア法人が人気があります。3国間貿易や、金融関連の投資企業など。

 また、香港に企業登記して、その後、日本へ進出するという外資企業として日本で登記する案件や、その他、香港法人を、日本のホールディング会社として、運営する企業など、企業のグローバル化が進んでいます。
 香港に法人を持っていれば、上海(中国)などへ外資法人を設立する場合に、香港からの投資企業として外資登記も可能です。
 
 中国やアジア進出する際の、窓口会社として香港法人を活用する日本人経営者が今、増えています。
 理由は、震災復興に関して、日本の増税法案などが影響していると思います。
  グローバルに事業展開をしている企業にとって、必ずしも、日本を本社にする理由はなく、特に、インターネットの通信網を活用すれば、ネットバンキングで、法人口座の資金を動かすことができ、世界のどこで居ても、出入金ができます。そうなれば、どの国で事業をやっても同じことになります。税制面で優遇されている地域に、本社機能(銀行における法人口座)を移転して、実際の仕事は、インターネットを使って、作業を行うので、人件費などの優遇の出る地域で事務作業をするという経営手法が可能になります。
 今後、企業の国際化が、もっと加速すれば、売り上げの回収をどの国の法人で行うか、作業をどの国でするか?税制面で有利な地域で売り上げを回収をし、人件費で有利な地域で作業をさせるという事業展開が当然のように行われるようになっていくと予想できます。

■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記 (オフィシャルブログ)
■6月27日 中国ビジネスセミナー IN 長崎市商工会所 の案内 講師 小谷まなぶ