(タイトルの”オワコン”とは”終わったコンテンツ”の略でネットスラングです。)
モバキャスについては山田先生や石川さんの記事があります。モバキャスの概要については石川さんの記事を参照してください。
お二人の記事は「失敗しそう」とか「大丈夫か」など私から見ればかなりオブラートに包んだ記事だったので、私が改めてモバキャスについて書いてみたいと思います。
モバキャスについて批判しようと思えばいくらでも批判できますが、最も言いたいことは
「スマートフォン向けの放送なら、なぜアプリ開発してネットでストリーミングなりダウンロードなりできるようにすればいいのに。そうすれば全国に電波送信のための装置の設備投資など必要なく、はるかに低コストでできるし、好きな時にたくさんのコンテンツの中からオンデマンドで視聴できるのに」
ということです。おそらくこのサービスが最初は日本のいわゆるガラパゴスケータイ向けとして考えられていたのが、スマートフォンが急速に普及したので、場当たり的にスマートフォン向けのサービスであると言い出したのでしょう。
そもそも「放送と通信の融合」や「ソーシャルメディアとの連携」などいかにも最先端の技術を駆使したサービスであるかのようにアピールしていますが、実態はリアルタイム放送にしろ、蓄積型放送にしろ、「番組を放送局が決めた番組表で全国一斉で一方的に送信する」というテレビ局が50年以上前から行なっていることと全く同じです。このような旧来型の放送ではコンテンツの数も限られますし(CS放送と同じぐらい多チャンネルならまだしもモバキャスはせいぜい数チャンネル)、いつでも見たいコンテンツを見るということもできません。ネットサービスをたくさん使いこなすようなスマートフォンユーザーが、このような不便なサービスで満足するとは到底思えません。
地上波のテレビ放送もデジタルになったことで、「データ放送が受信できるようになった。」とか「双方向になって視聴者がクイズ番組に参加できるようになった。」など必死にメリットを喧伝していましたが、実際やってることはアナログ時代と何も変わっていません。それと同じ事です。なので無料放送にも関わらずどんどん視聴者離れを起こしています。
別に民間企業がどんな事業をして、どれだけ赤字をだそうが自由ですが、このサービスは”電波”を使ってるので、そういうわけにはいきません。
どちらにせよモバキャスが使うVHF帯の周波数は携帯電話などの移動体通信には不向きで比較的価値の低い周波数なのですが、やる前から確実に失敗することが目に見えている事業に国民の財産である電波を周波数オークションもせずタダ同然で浪費されるのはとても残念です。このサービスは赤字確実なので今からでも撤退したほうがいいと思います。ぜひ早めに撤退して電波を開け渡して頂きたいと思います。(まあおそらく電波をふさいで新規参入を妨害するためにやってるのでしょうが。)
モバキャスが撤退したあとの空きの周波数の再編で私がベストだと思う案は、今の地上波デジタル放送を再びVHF帯に戻して、今地上波デジタルが占有いているUHF帯を移動体通信に割り当てることだと思います。
平成の龍馬(多田光宏)
blog http://heisei-no-ryouma.ldblog.jp
twitter http://twitter.com/heisei_no_ryoum