原発被災地復興のためにシニア専用ゴルフ場を

原 淳二郎

原発事故の放射能で汚染された土壌を貯蔵する場所がない、被災地のガレキ焼却を受け入れる自治体もない。政府は福島を汚染物質中間貯蔵地にするらしいが、地元から反発を受けている。1日、緊急避難準備地域の指定が一部解除されたが、ふるさとに戻るかどうか迷っている人も多い。

行き場を失った汚染土壌や放射能を含む焼却灰などは、総量で東京ドーム何百個分にのぼるらしい。貯蔵するにしても広い土地が必要である。しかも、一般人が立ち入らない場所、中でも子どもが立ち入らない場所が望ましい。


となると、福島の緊急避難準備地域あるいは20キロ圏内で、居住を放棄された土地に貯蔵するしかない。そこに汚染土壌や廃棄物で土地を造成し、ゴルフ場にすることを提案したい。ただし、利用者は50歳以上のシニアに限定する。石川遼君のような若者は入場禁止である。

放射性物質を含んでいるとはいえ、1時間値で1マイクロシーベルト以下であれば、シニアの健康に影響はあるまい。ゴルフ場のフェアウェイに汚染土壌を埋めても、ゴルファーはそこに何時間も立ち止まるわけではない。1ラウンドの被曝量はたかがしれている。放射能はなるべくなら浴びない方がいい。しかし、自然界にある放射能と同じレベルなら
問題はない。ましてシニアなら放射線の影響が出る前に他の病気や疾患で死亡するかもしれない。どちらがより死に影響したかは区別できない。

それでも放射能は嫌だというシニアはプレイしなくてもいい。福島の復興に少しでも役立ちたいシニアは行くはずだ。

茨城や福島のゴルフ場も風評被害で入場者が激減していると聞く。なら逆手を取って、シニア限定割引制度を導入して、活性化を図ることができないだろうか。

実は事故直後から、福島復興のために原発事故被災地に老人ホームを建設してはどうか、と考えていた。老人の放射能感受性が低いことを考慮しての発案だった。同じことを考えていた人もいた。だが、そこで働く人がいるかどうかが問題として残った。ゴルフ場ならキャディーさんも一日中フェアウェイにいるわけではない。働く人がないなら、そのゴルフ場はセルフだけにすればいい。国営で原発事故記念シニア専用ゴルフ場を造成できないだろうか。老人の健康維持にもいい。そんなゴルフ場ができたらプレイしたい。