新しい年金制度を提案する。その概要は以下の通りである。
フィロソフィー
①年金を国民の手に取り戻す
②将来不安を一掃
③保険の機能を再定義
④年金制度が働き方を制約しない
詳細は、私のブログも参照していただきたい。
概要を述べると、年金を国民の手に取り戻すとは、自分の払った分は自分に、という考え方で、個人勘定を設定する。すなわち、実質賦課方式から完全積立方式へ移行し、実質的には強制貯蓄とする。最大のメリットは、いくら貯まっているか、いくらもらえるか、常にわかる、という点である。
徴収は国税と一体化し、日本年金機構は民営化し勘定管理会社とする。ここの株式を入札で民間企業が取得させる。売却額は年金支払額の積み立て不足の補給に使う。メリットは、制度の確定により安心を実現することにつきる。
将来の見通しに左右されない制度とし、納付率、少子化、経済成長、賃金上昇率などから独立する。自分の年金は自分の支払額で決まり、予期せぬ徴収額の増加は起きなくなる。現在の若い世代の年金見通しを明確化、年金制度への支持を得ることができる。彼らは、公的年金以外にどのような備えをすればいいか分かる。現状認識は、どうせ一銭ももらえない、というところからスタートするから、一定額もらえるのは、ポジティブサプライズで賛成が得られる可能性が高い。
個人勘定なら、公的年金でなく完全に個人の選択で民間の年金に入れば良い、と言う議論がありうるが、この新しい公的年金制度により、公的年金の役割が再確認され、本当に必要なものを供給することになる。それは、長生きリスクの除去に尽きる。長生きして国に若い人に申し訳ない、という異常事態からの脱却をし、高齢者が長生きを楽しむライフスタイルに移行できる。
さらに、長期的には、オプションとして、本当に必要なのはカネではなく、住宅、医療、コミュニティであることから、年金を現金給付でなく、現物給付的に住宅・医療を提供:現金との選択性にすることもあり得る。これにより、高齢者コミニュティビジネスも発達し、産業育成政策ともなる。
この新しい公的年金制度によって得られる一番のものは、国民の信頼である。年金は自分のために、という哲学が貫徹し、実際にも、見通しが確定し、個人の選択肢、可能性、安心感は大幅に改善する。一方、経済全体としても経済成長率の上昇が実現する。それは、より効率的な働き方を実現し、海外流出を抑制することによる。さらに、生活者としての実感年金コストの低下や、雇用主の負担低下も大きい。同時に、複合的な政策を打ち出すことにより、高齢者社会の新産業の創出にもつながり、自由に動く金融資産が有効活用され、この面でも経済成長率の上昇につながるのである。
詳細は、こちらを参照ください。
────────────────────────────────────