金正日総書記の死をめぐる謎

石田 雅彦

北朝鮮。総書記死去。今年の最後に大ニュースが飛び込んできました。例によってマスメディアは大騒ぎ。「[today’s news from UK+]」では、世界中の各メディアの記事を紹介。だいたい掲載してる写真は同じようなものです。
死んでから2日、その事実が世界中に秘匿されていたわけなんだが、その動向が長い間、秘密にされていた時期もあったし、なぜ短期間に発表したのか、というのが話題の1つになっている。この「Me pudet imprudentiae meae.(DOL冒険発見物)日本の底力!」というブログでは「2日も」隠蔽できたことに驚いています。逆に、あの北朝鮮が「2日間しか」隠さなかったのが驚き、という意見も多い。
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国際情勢の分析と予測」というブログでは、死んだのは影武者、だとか、暗殺の可能性など、ネット上に流布している真偽不明の情報や陰謀論を紹介。ここんところはネットリテラシー的に要注意な部分です。この「moltoke_Rumia1pのブログ」では、死亡から発表まで時間が短かったことで逆に、意外に安定するんじゃないか、としています。

kojitakenの日記」は死亡ニュースへの雑感。小泉純一郎氏と小沢一郎氏は、ともに金正日総書記と同じ年らしい。「風の囁き日記」というブログでは、サムスングループや現代グループなど韓国企業の動向を紹介。金正日総書記の死去で環境が変わり、北朝鮮への投資の可能性が出てきた、と分析。「国際関係学逍遙」では、軍部の台頭について書いていて、日本も警戒を怠るな、と提言しています。拉致問題については「軍事評論家=佐藤守のブログ日記」が、この機に一気に解決に向かうべき、としつつ、日朝間のパイプの細さを嘆いています。
また「金正日の死亡と北朝鮮の今後について」分析する「夾竹桃日記」というブログでは、周辺各国はとにかく北朝鮮に混乱が起きないように願っている、とし、特に中国は陰日向となって北朝鮮を支えるに違いない、と書いている。

死因について「hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)」というブログでは読売の報道から、過労死か? と書いています。総書記は彼なりに東奔西走していたつもりだったんでしょうか。表題記事では、重症急性心筋梗塞と心臓性ショックが起きて病理解剖検査にまわされた、と紹介。また、後継者とされる三男の金正恩氏を妹婿の張成沢氏が補佐するのでは、と分析しています。さらに軍部のクーデターの可能性がある場合、正日総書記の腹違いの弟、北朝鮮ポーランド大使の金平一氏が浮上しそう、と書いている。いずれにせよ、後ろ盾となる中国の意志が大きいのは確実なようです。
クーリエ・ジャポンの現場から
金正日総書記の急死と今後のキーマン

書評。人間関係。集団の雰囲気を忖度し過ぎて、個々人の意図とは無関係な方向へ行ってしまう、いわゆるアビリーンのパラドックスみたいなことを書いている本です。で、そうした環境は「世間」であり、それが嫌なら「社会」の中で居場所を見つけたら、と勧めているらしい。高校生くらい、いやもっと前から教えたほうがいいことなのかもしれません。
情報考学 Passion For The Future
「しがらみ」を科学する: 高校生からの社会心理学入門

ワイン。多国籍。ワインのコンテストは世界中に無数にあって、権威のあるものからイカガワシイものまでそろってます。ただ、いろんな商品の中国産も実力を付けてきているのは確か。寧夏回族自治区というのはイスラム系自治区らしいんだが、地図で見るとそんなに辺境、というわけでもない。古くは秦、中世には西夏、シルクロードの要衝、といった土地のようです。で、これは「YUCASEE MEDIA」の、中国でワイン投資がブーム、という記事。欧米でもワインはけっこう手堅い投資で、30年前の高級ワインが約10倍の値段になったりしている。高いワインは中国へ、安いワインは日本へ、ということです。
たのしく投資
中国ワインがボルドーに味で勝利?

消費税。その目的は。だいたい今の消費税も竹下内閣で導入されたときには、社会保障の目的税化が国民への説得材料だったんだが、まったく反故にされてます。いくら三百代言とは言っても、ポピュリズムのウソばかりじゃ国民から愛想づかしをされても仕方ない。このブログでは、こんなのは財務官僚の浅知恵、増税分は労使協調の大企業中心の産業界へ流れ込む、と書いています。
スロウ忍ブログ
“社会保障のために消費税増税が必要”などという大嘘が、政府の内部文書でバレた野田首相。必死の街頭パフォーマンスへ。

サラリーマン。気楽な稼業ときたもんだ。なかなか興味深いブログです。いわゆる「社畜」は、確か佐高信氏が広めた言葉だと思うんだが、会社内だけの倫理・論理がすべてで、社会に通用しない「常識」に縛られたサラリーマン、らしい。このブログでは、なぜ「社畜」が生まれたのか、その存在意義は、などを分析。彼らも企業社会、組織の中で一定の役目を果たしているので家畜扱いはヒドい、と書いています。
ビジネスのための雑学知ったかぶり
社畜なんてひどすぎる

小沢裁判。国際環境。円高やTPPの「目的の変化」について分析し、それが国内政治にも影響が出るのでは、というブログ。意図的に作り出されたものかどうかは別にして、アジアが世界経済の牽引車になっていくのは確実です。小沢復権はあり得ないと思いますが、彼の息のかかった政治家が中央に躍り出てくることはあるでしょう。
新井信介「京の風」
元地検特捜部の前田受刑者「小沢は無罪」と。8月末に世界権力が変わった現実が日本に出てくる。大事件の予感。

遺伝子。長寿。老化をコントロールする遺伝子にはいろいろあるんだが、Sirtuin(サーチュイン)というのも有名な遺伝子です。このブログによると、ほ乳類でその機能を獲得したらしい。ただ、Sirtuin遺伝子を活性化させるレスベラトロール(ワインのポリフェノール)にも効果がないというわけで、実験というのはラボ内とラボ外で結果が違ってくることがよくあります。遺伝子研究は一筋縄じゃいかない、ということなんでしょう。
生きるすべ IKIRU-SUBE 柳田充弘ブログ
世界でいちばん小さい女性、日本人の身長が伸びとまる、老化遺伝子のどんでん返しがあるのか

ロボット。外側が重要。内部の機構だけ見ると、それほどスゴい技術じゃないんだが、球形の外側をつけると途端に魅力的な動きになるのが不思議です。人間はどうしても感情移入しがちなので、外側の表現は考えている以上に重要なんでしょう。
Engadget日本版
動画:球体に変形する6脚歩行ロボ MorpHex

薬物。米国文化。フラワーチルドレンのヒッピー文化が与えた影響は大きいんだが、スティーブ・ジョブズもそうだと考えるとITコンピュータ産業にも多大な影響を及ぼしているわけです。このブログでは再び米国のティーンエイジに薬物が蔓延している、ということで、同じドラッグでも毒にも人生開眼する薬にもなる、というわけです。
アメリカ経済ニュースBlog
米高校生大麻常習率22.6%とスティーブジョブス:LSDから学んだこと

展覧会。これはおもしろい。国芳は猫好きでも有名なんだが、この展覧会では多彩なその魅力から新たな発見があるかも、と紹介。もちろん猫の絵もあります。大阪などで見たヒトも再訪の価値ありです。2012年2月12日まで。月・水~日曜日、午前10時~午後8時(火曜日のみ午後5時まで)。1月18日は休館。場所は、森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ)。
弐代目・青い日記帳
「没後150年 歌川国芳展」