超合理的な投資家とは裁定取引投資家ではない

小幡 績

LTCMは超合理的ではなかった。

単なる裁定取引投資家で、ファンダメンタリストに過ぎなかった。

したがって、彼らは必ず破綻する運命にあった。

なぜか。

市場には真実がないからである。

真実がないにもかかわらず、真実があると思い込み、さらに、それのみならず、自分だけがその真実を知っていると思っていた。

池尾氏の言う選良思想かもしれない。

超合理的ならば、真実を作る側に回らなくてはならない。あるいは少なくとも、真実は作られることを認識しないといけない。

真実を探している時点で、LTCMは負けなのだ。