2012年度の総務省の予算案を見ていて驚いたのですが、なんと「地デジ受信環境の整備」という名目に305億円も予算がついています。「はぁ~?」って感じです。去年の7月で東北三県以外は地デジに完全以降したはずです。移行直後にはまだ地デジを見れない人たちのための様々な対策が必要かもしれませんし、しばらく時間が経ってもある程度の予算は必要になるかもしれません。しかしなぜ平成24年度になっても今だに300億円も予算が必要なのでしょうか。ちなみに地デジに完全移行した2011年度の地デジ対策の予算は352億円です。
2012年度の地デジ対策の予算の概要は以下のような感じです。
地デジの受信相談・調査・支援体制の継続
① 地デジコールセンターの運営 【継続2.6億円】
② デジサポによる受信相談・現地調査等 【継続49.1億円】
③ 低所得世帯に対する地デジチューナー等の支援 【継続5.1億円】新たな難視地区等における恒久対策の実施
④ 辺地共聴施設のデジタル化の支援 【拡充11.5億円】
⑤ デジタル中継局の整備に対する支援 【継続8.6億円】
⑥ 新たな難視対策等 【拡充61.1億円】
⑦ 暫定的な衛星利用による難視聴対策 【継続17.7億円】アナログ停波後のチャンネル周波数変更等の継続
⑧ アナログ停波後のチャンネル切替 【継続20.3億円】
⑨ デジタル受信障害の解消 【拡充57.4億円】
(この資料では合計は230億円ですが、総務省の総予算の内訳では305億円になっています。)
要は、地デジが見られない場所がまだまだたくさんあるからその対策をするための予算ということでしょう。しかし今の時点で地デジが見れない地域というのは地形的に電波が届きにくい過疎地や離島などで、地上波やケーブルテレビでカバーしようとすると際限なく経費がかかります。あとは諦めて暫定的に行なっている地デジ難視対策衛星放送(衛星放送で地上波再送信しているサービス)を恒久的に続けて衛星放送でカバーすればすぐに対策できますし経費の削減になります。
地方テレビ局の電波利権を守るために地上波にこだわっているのは言うまでもありませんが、それにしても地デジ対策にこれだけ予算をたくさんつけるのはおそらく電波利用料の制度の問題でしょう。電波利用料は見かけ上一般財源ですが、優先的に電波関係に使うようになっていて実質特定財源です。電波関係に使わなければならないので、このようなコストパフォーマンスを無視した方法になってしまうのでしょう。
あと地デジ対策っていつまで続くのかと思い調べたらなんと2014年度まで続くみたいです。
総務省、地デジ移行関連で14年度まで年数十億円-難視聴地にチューナー
とりあえず2014年度まで続くにしても地デジ対策の予算は多くても数十億程度に圧縮すべきです。
追記:地上波でなく衛星放送でやればコストカットできると書きましたが、そもそも普通に地上波で難視対策事業を行ったとしても地デジ完全移行した後で300億円もかかる事自体ありえないですよね。天下り法人とかが中抜きしているとしか考えられません。
平成の龍馬(多田光宏)
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