労働の二極化:男女の違いからを読んで、私も雇用における男女比について以前から気になっている事を書いてみます。
図1によれば、女性の大学進学率はほぼ一貫して上昇を続け、平成6年度では2割を超え、平成20年度では4割を超えています。
図1:
しかしながら図2によると、1982年(昭和57年)から2007年(平成19年)までの女性の正社員の就業率は、大企業で24.9%から21.7%、中小企業では31.8%から29.5%と横ばい状態となっています。
図2:
女性の就業率がほぼ一定で、大学進学率が一貫して上昇してきたという事は、正社員として就業する女性が、高卒・短大卒から大卒へシフトしてきたと考える事ができます。
ところで図3を見ると、係長相当の管理職における女性の比率は、平成元年で5.0%、平成21年で11.1%と倍程度に上昇している事がわりますが、大卒の割合と比べても、就業率と比べても低すぎる事がわかります。頭脳労働を基本とするオフィス業務において、性別による能力差は無いという仮定を前提とすれば、日本の企業において女性管理職が少なすぎる事は明白です。
図3:
少ない理由については、企業側の男女差別の問題もあるでしょうし、長期的なキャリアップを目指す女性が少ないという問題もあるかと思います。この記事で、そういった事を掘り下げるつもりはありませんが、職場における女性の活躍を大学進学率程度に増大させる事で、企業の生産性も増大する可能性があるのではないかと推測してみた次第です。
最後にこちらの記事によれば香港の企業で働く管理職の約4割は女性で占められているそうです。弊社の香港オフィスでも、ソフトウェア開発部門と財務の責任者は女性です。
参考資料:
1)図1:ユニバーサル化へ加速する女子の大学進学
2)図2:>働き方とワークライフ・バランス
3)図3:女性の管理職が、少ない理由
石水 智尚
Mutteraway