前回、770ペタベクレルを、77ペタベクレルと書いてしまいました。下書きではあってたのに、チェックで直してしまったようです。大変失礼しました。
■冷静に比べれば、福島より東京や大阪の方が汚い
冷静に考えれば、東京や大阪では魚が死んでしまったり、繁殖できない程度には汚染されています。街路樹が枯れるぐらいの大気汚染もあります。
少なくとも、福島で放射能汚染のため、枯れたり、死んだり、繁殖できなくなった動植物は存在しませんが、東京や大阪では、様々な汚染のため、普通に、枯れたり、死んだり、繁殖できなくなって、いなくなってしまった動植物は数多くあります。
東京や大阪の人達は、そんな環境の水を浄化して飲んで、空気も吸っていますから、大気汚染や水質汚染、あるいは土壌汚染などの理由によって、癌で亡くなった人、癌以外の疾患で亡くなった人がいなかったとは言い切れませんし、今後、出ないとは言い切れません。
しかし、ある人が亡くなった理由が大気汚染であるとは、ほぼ証明できないため、最終的には統計学的に求めるしかないのです。
残念なことに、統計的には大気汚染で多くの方が亡くなっています。
■放射能ほど調べられている害はない
大気汚染や水質汚染、土壌汚染などの汚染物質に対する研究者に比べたら、放射能(放射性物質・放射線)についての研究者は非常に多い。放射能以外の汚染物質はほとんど利用価値がないので、残念ながら積極的に調べる人が少ないです。しかし、放射能は害さえ除けば利用価値が非常に高い上に、イデオロギー的反対派も多いため、あらゆる有害物質の中で最も調査されているものの一つです。
産業の歴史を考えると、新物質・新素材などの発見があると、まずはどう利用するかから研究が始まって、害についての研究は後回しになります。放射性物質が発見された頃は、キュリー夫人のように、害があるとは全く考えずに扱われてきました。放射性物質の害について研究され始めたのは80年ほど前からです。
他の汚染物質については、1960~70年代ぐらいまではダダ漏れ状態で、害についてはほとんど調べられてきませんでした。多くの汚染物質の害について調べられた期間は、放射性物質と同じかむしろ短いぐらいです。放射性物質を含め、ほとんどの汚染物質の害については、調べ始めて数十年しか経ってない。
つまり、まだ人間一世代分の期間も調べられていませんから、あらゆる物質が将来に亘り安全とは言えません。
小麦の成分を石鹸に使ったために、僅か数年でアレルギーの問題が起きたのは記憶に新しいところです。僅か数年使い続けたぐらいで出る害ですら十分に調べられてないのですから、あらゆる物質について、蓄積すれば何が起こるか、ましてや何世代か後に害があるかということは何も分かってないのです。
「放射能の害は分かってないから怖い」なら、あらゆる汚染物質は「実は分かってない怖いもの」と言えるでしょう。
■福島で絶滅した生物はいない
確定的影響は比較的短時間で分かりますが、確率的影響(慢性的な害)については、結論が出るまでに非常に時間が掛かります。結論が出たとしても、あくまでも確率論でしかありません。
これまで分かっている被害状況から確率的に言えることは、池田氏や藤澤氏が何度も解説され、書籍にされているとおり、原子力発電よりも火力発電の方がはるかに危険です。
どうしても、確率論がしっくりこない人、むしろ騙されていると感じる人はある割合で存在しています。そう人達は、どうか身近な例で考えて欲しいと願います。でないと、マスコミや意図的な情報操作を行う反原発系の科学者の煽りに負けてしまします。
例えば「福島のある池で、ある小川で、メダカが全滅した」としたら、確率論がしっくりこない人は、冷静ではいれないはずです。もう、発狂するぐらいの大騒ぎする人もでるでしょう。
しかし、東京や大阪では、何十年も前から普通のことで話題にもなりません。
繰り返しますが、長期的な害について分かってないのは同じです。分かっていることは、チェルノブイリにある程度の放射性物質では、25年程度では野生動植物には影響はない。しかし、都会にある有害物質では野生動植物は、簡単に絶滅するということです。
原発を火力発電に切り替えれば、野生動植物が棲めなくなるような汚染物質が増えるわけですが、そちらを選択するということは、「25年以上の長期的で考えれば放射性物質の害の方が上回ることになる」という分の悪い選択に、毎年4兆円も賭ける。毎年4兆円もの札束を燃やしてしまうということです。
絶対に間違っているとも、間違っていないとも言えませんが、現在の所、急進的な反原発の研究者からも、逆になるという根拠は出てないのですから、現状では、逆転する可能性は極めて低いと言えるでしょう。
冷静に考えれば、健康のためにも、経済のためにも、今すぐ、原発を稼働するべきです。
株式会社ジーワンシステム
代表取締役 生島 勘富
(Twitter @kantomi)