東日本大震災から1年。ドキュメンタリーの画面に映る震災当日の情景を見て「愛、寛容、他者への情愛。哀れみの心、即ち『仁』は、常に至高の徳として人間の魂がもつあらゆる性質の中で、もっとも気高きものとして認められてきた」と言う「武士道」の一節を思い出しました。
この教えを自然に実践した日本人の行動が、世界に感動を与え、尊敬を受けたのだと思います。
それに比べ、震災や原発事故処理のもたつきは、「知的才能はそれほど重視されなかった。『知』と言う漢字は、主として『叡智』を意味し、単なる知識は従属的な地位しかあたえられなかった」武士道の伝統に背いた、知識中心の日本の権威主義的統治機構が一因ではないでしょうか?
激動の世の中、日本の指導者と統治機構の質の悪さは、目を覆いたくなる惨状です。
ロシアやギリシャには、「魚は、頭から腐る」と言う諺があると聞きます。そして、新渡戸博士は「ノーブレス・オブリージュ(身分の高い者に伴う義務)は、真実性と誠意がなければ茶番か芝居である」と、身分の高い者の義務の大切さを説いています。
日本で「真実性と誠意」の欠如と「腐り出した魚の頭」の典型と言えば、何と言っても鳩山元首相です。
「世襲が日本の政治をゆがめてきた。世襲の私が言うのだから間違いない。」
「トップの首相が大馬鹿者であれば、そんな国がもつわけがない 」
「 日本という国が日本人だけの為にあるものだとは思っていない 」
「 在日の方が日本の総理大臣になられたとしたら、それは大変素晴らしい 」
「韓国ドラマを見て勉強し、改革に取り組みたい」
「地球から見れば、人間が居なくなるのが一番優しい自然に戻るんだという思いも分かる」
「秘書の犯罪は議員自身の責任であり、私なら当然議員バッジを外します」 (加藤元自民党幹事長に対して)
「秘書を信頼してしまった事が迂闊だったという批判は甘んじて受けたい」(自分の秘書が有罪判決を受けて)
「 恵まれた家庭に育ったものだから、自分自身の資産管理が極めてずさんだった 」(17億円以上の現金を母親から貰い、脱税を問われて)
「国というモノがなんだか良く分らないのです」
「確かに私は愚かな首相かもしれない」
ここに挙げた発言は、全て鳩山元首相の発言ですが、日本で首相を務めた人間の発言などとは、恥ずかしくて誰にも言えません。
「総理たるもの、退任後にその影響力を行使し過ぎてはいけない。従い、私は次の総選挙に出馬は致しません」と一旦は国民を安堵させた鳩山さんでしたが、わずか1か月後には「引退宣言をとりあえず撤回」し、やがて「議員続投宣言」をして国民を落胆させました。
「辺野古(案)は生きている」「辺野古以外の腹案がある」など散々問題をこじらせた揚げ句、辺野故移転を約束した「日米合意を守る」と言って首相を辞任しました。
処が、昨年12月には「辺野古以外の所があるかどうか。私はないとは思っていない」「官邸で主導して探す努力を続けるべきだ」と講演したり「世間は鳩山が日米関係をめちゃくちゃにしたと言うが、そんな事はない。その証拠に、私はつい最近も駐日アメリカ大使と一緒にテレビを楽しんだ」「友愛精神が十分に伝わっていないので、由紀夫を友紀夫に変えたい」など、日米両国民をあぜんとさせ続けています。
最近の産経新聞に載った「日本で最も有名で『最も懲りない男』の仰天ニュース」と言う見出し記事は、鳩山氏の破廉恥発言例を挙げ、「知性」ではなく「稚性」と「痴性」しか感じないと結んでいます。
香山先生は「“直接診ていない人”であっても、為政者など社会的影響力を持った人物本人について分析する手法が伝統的に存在し、社会の権力者や政治家について分析するのも精神科医の役目」だとして、橋下市長を「境界性人格障害」だと診断されたそうですが、是非、鳩山元首相の診断も御願いします。
先生は又「橋下氏の様な政治家が支持されるのは、有権者が不安定な状況にあるからだ」と、国民の側に問題がある可能性も指摘しておられますが、鳩山氏の言動の方が正常で、国民の側に異常があると言う結果が出る可能性もあるのでしょうか?
素人診断ですが、私の疑う鳩山氏の疾患は下記の様なものです:
詐称宇宙人症候群、鉄面皮障害、阿闍世(あじゃせ)コンプレックス、習慣性虚言症、選択性記憶障害、常習妄言症、デウス・エクス・マキナ障害、重度責任転嫁症、日替わり言語障害。
寺田寅彦博士は「国防と天災」の中で「健忘症と確かな根拠のないうわさや、なかったものを、あったように言う流言蜚語」が、災害の被害を拡大すると書いています。
民主国家の日本では、鳩山氏の過度な「健忘症」も流言蜚語に近い発言も,簡単に封じる事は出来ません。香山先生の診断で何等かの障害が見つかれば、早急に措置する事も可能で、これはご本人にも国民にも良い事です。
北村 隆司