深夜の日経ニュースは蜜の味?(アコーディアゴルフの乱) --- 山口 利昭

アゴラ編集部

午前0時を過ぎたころの「ベタ記事日経ニュース」には、ときどき美味しい蜜の香りのするものがございます。その日経さんの深夜ニュースが、数日前にエントリーいたしましたアコーディアゴルフの件を報じております。同社の大株主さんが、反乱を起こした専務さんと組んで、6月の定時株主総会にて、8名もの独自の取締役選任に関する株主提案権を行使し、会社側提案にはすべて反対を表明することが判明、とのこと。同記事では提案権を行使した大株主さんの親会社の名前も報じられており、いよいよ「ただならぬ雰囲気」が漂ってきております。この内紛、主人公は社長さんなのか、それとも専務さんなのでしょうか?それとも……?


この「ただならぬ雰囲気」は、昨年当ブログでも展開を追っておりましたゲオさんの事例に似ているようですが、ひょっとすると、もっと壮大なスケールなのかもしれません。たしか社外取締役さん方で構成される社内調査委員会は(まちがっておりましたら訂正いたしますが)社内不正を独立公正な立場で粛々と調査を行う予定ではなかったかと思いますが、では専務さんが「コンプライアンス違反」と主張しておられる「社長の不適切な行動」の真偽はだれが調査するのでしょうか?

と思いつつ、本日(26日)付けのリリースを読んだところ、上記社外取締役さん方の「特別コンプライアンス委員会」は大手法律事務所に在籍する弁護士とフォレンジックサービスに調査協力を依頼しました、とのこと。しかしこれとは別に、監査役会も、企業法務で著名な法律事務所を独自に選定して、これまたフォレンジックサービス会社とともに独自の調査を依頼しているとのこと。つまり、この監査役会独自の調査が社長の疑惑を調査する、ということになるのでしょうか?(おお、まさにゲオ社の事例に似ているような気がしてまいりました。)ますます興味が湧いてまいります。

これだけ(外形上は)コーポレートガバナンスがしっかりしている企業において、どうしてこれだけ歯車がかみ合わなくなってしまったのか、今後の展開に注目しておきたいと思います。


編集部より:この記事は「ビジネス法務の部屋 since 2005」2012年4月27日のブログより転載させていただきました。快く転載を許可してくださった山口利昭氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方はビジネス法務の部屋 since 2005をご覧ください。