イギリスを訪問中の川端総務相は日本時間2日夜、同行記者団に対し、今後、国際的に普及の拡大が予想される「スマートテレビ」の国際規格を、日本側が主導して策定していきたいとの考えを示した。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
いったい総務省がスマートテレビのどの部分についての規格を決めようというのでしょうか?
今時、ソフトウェアの変更で大抵のことは実現できてしまいますし、通信方式はインターネット回線(無線なら3GやWi-Fi)で、動画の圧縮はH.264、OSはAndroidやiOS、操作はkinectや音声認識という十分に普及した要素技術がすでにたくさんあります。あとはメーカーが要素技術をどう組み合わせて、ユーザーエクスペリエンスの優れた製品を作るかという話です。
スマートテレビがなかなか出て来ない一番大きい原因は、おそらくコンテンツの流通がネックになっているのでしょう。
今、スマートテレビに必要なのは技術よりもビジネスの部分であり、そこに役所が出る幕はありません。(あるとすれば規制緩和)
そもそもスマートテレビの規格を統一しなければならない必要性がわかりません。むしろ規格が違う製品が複数あって消費者が選択できることが必要ではないでしょうか。
なぜ”総務省”が規格を決めるかということを考えると、おそらく放送通信に関わる分野であるということでしょう。
もし地上波や衛星放送などの電波による放送を前提としたスマートテレビを考えているとすれば、明らかに時代遅れです。スマートテレビという言葉自体がそもそもバズワードであり明確な定義はないのですが、それでも常識的に考えてスマートテレビとはインターネット回線を利用しての動画視聴やwebサービスの利用を前提にしたものでないと普及しないでしょう。
もしインターネットを利用するサービスを前提にしているならば、そもそも総務省の出番はありません。
いずれにしてもスマートテレビの規格を役所が決めるなんて極めてナンセンスとしか言いようがありません。
まあ総務省が規格を決めても日本の電機メーカーが無視すればそれで終わりの話なんですが、役所との付き合い的な感じでモバキャスみたいに100%赤字覚悟で開発とかすることになるような気もします。当然国際的に普及することはないでしょう。
それにしてもエルピーダとか第5世代コンピュータとか情報大航海プロジェクト(日の丸検索エンジン)とか散々失敗して、さすがにもうIT分野について役所が主導するのはないだろうと政治家も役人も理解しているだろうと思っていたのですが…
平成の龍馬(多田光宏)
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