休みなく国際政治は動く

アゴラ編集部

この連休中は天気の不安定さと交通事故でニュースが埋まっています。それ以外、国内ではほとんど動きがないんだが、世界は流動的に変化し続けている。連休中には、野田総理の訪米がありました。さしたる成果もなく帰ってきたようです。対中国への「抑止」を共通認識にしたそうですが、ことはそう単純な話でもない。米国の外交は大統領選挙をにらみ、対中国やアフガンなどで動揺している。経済的には中韓がFTAの交渉を開始した、というニュースが報じられ、TPPでも足踏み状態の姿勢が批判されています。


この「株式日記と経済展望」では、米国が中国と「裏取引」をすでに終え、ハワイ・オーストラリアの防衛戦への撤退を決めているのでは、と書いています。民主党も自民党も日本の既存政党の実力では、米国と中国の間で政治的な駆け引きはとうてい出来ない。橋下氏の勢力と石原都知事を中心にした新党、さらにひょっとすると小沢氏らの勢力が合体して豪腕な「救国政権」が誕生するかもしれない、というわけです。

これはPaul Craig Roberts氏による”Brewing a Conflict with China“という記事。同氏は、レーガン元大統領の顧問だったが、小ブッシュ前大統領には批判的な経済学者です。この記事では、米国は旧ソ連やイスラム勢力に変わって中国を相手に「冷戦構造」をでっち上げようとしている、と書いている。もともと9.11にも懐疑的な人物なんだが、マスメディアを利用して緊張関係を醸成する米国の常套戦略を批難しています。

中国の抑止、といえば連休中も中国のフリゲートを中心にした小艦隊が大隅海峡を通過してニュースになりました。この「碧空」というブログでは、南シナ海における中国とフィリピンの対峙について紹介。第一列島線といわれる中国の海洋戦略ラインにからむ衝突、と言っていい。もちろん沖縄、さらに日本列島から伸びる南西諸島もこのラインに入っています。ようするに、台湾侵攻作戦と海洋進出、エネルギー資源などが関係した中国の最前線というわけ。大隅海峡は第一列島線の北端です。

また、こちらは中国戦略の第二列島線の話。領土問題で言えば「治大国若烹小鮮 ─ おがた林太郎ブログ」が、日本の大陸棚の範囲について書いています。特に「沖ノ鳥島が島か否か」という中国などとの議論について、戦いは始まったばかり、と分析。このあたりの海域も確実に中国の第二列島線にからんだ膨張戦略に入っている、ということです。さて、米国は台湾を放棄することで内々で中国とナシがついてるんでしょうか。

で、この「日比野庵 本館」というブログでは、広範なアジア情勢を紹介し、日本がとるべき戦略を考えています。この秋の全国代表大会で政権交代する中国なんだが、内部での権力闘争が日中外交にどう出てくるのか要注視、というわけ。先月に行ったロシアと共同演習についても、政権交代がらみでいろいろ取り沙汰され、東アジアは連休も黄金の一週間も何もない緊張状態が続いているということです。


アゴラ編集部:石田 雅彦