この数日、実にさまざまな事が起きました。
消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の修正の与野党間合意
大飯原発の再稼動へGOサイン
ギリシャ再選挙は緊縮財政派が過半数を取得しユーロ離脱の懸念がひとまず薄れたこと
更に今週は
G20
アメリカはFOMC
を控え世界経済に何らかの影響(プラスサイド)が出る可能性があります。
その上、日本はこの先、
野田政権と民主党の行方や選挙の可能性
次の原発再稼動候補の地元との調整
が課題として上がってくるでしょう。
原発にしろ消費税にしろ国を二分する議論でしたが野田首相はスケジュール内にきちっと実行したという点で高い評価をしたいと思います。実際、イギリスフィナンシャルタイムズでも決められない、実行力のない首相が続いた日本でようやく大きな課題をこなしたという点で賞賛されているほか日経新聞の読者参加型アンケートでは社会保障と税の一体改革法案に目処をつけたことに関し実に55%の人が評価しているのです。
このプラス評価の中には消費税上げを決して好ましく思っていない人も入っているでしょう。野党を自分のほうに引き込みながら熱意で合意までこぎつけた努力に小泉元総理とは違う実行力を感じました。私は野田首相が就任当時から真面目な実務型の首相で大臣をうまく使いながら要所をまとめていくタイプというようなことを書いたと思いますが、ようやく花開いたということでしょうか。
一方、ギリシャに目を向ければやはりユーロ離脱はギリシャ国民になんら良いことがないと認識してくれたと思います。世界がほっとしています。ドイツがギリシャに発したメッセージは「ギリシャよ、抜けないでくれ」。その心は新たなドイツ帝国の確立かもしれません。
ドイツは神聖ローマ帝国が西暦800年から約1000年、次いでドイツ帝国が1871年から第一次世界大戦まで、更にナチスドイツがドイツ第三帝国と称され、ヨーロッパ本土はドイツが基本的に押さえ続けたのがヨーロッパの歴史(それに対抗したのがイギリスです)。今回のユーロについてもドイツの圧倒的な影響力を行使し続けるためにもユーロは崩壊させたくなかったとすれば話のつじつまは合うかもしれません。
もっとも歴史を紐解けば神聖ローマ帝国の時、ギリシャ主導の東ローマ帝国といがみ合った関係ですからドイツとギリシャの関係は因縁が無きにしも非ずですが。
今週はある意味、今までのもやもやが吹っ切れた感じになると思います。世界全般で前向きで心地よい状況になると思います。とりあえずはトンネルから出てきたというところでしょうか?
ポジティブに捉えたいと思います。良い一週間を迎えたいものです。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年6月18日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。