フェイスブックが上場後初の四半期決算である4~6月の決算を発表しましたが1億5700万ドル(約120億円)の赤字となりました。売り上げは32%伸びており、アナリストの予想である一株利益12セントと同じところで着地しています。
ただ、この決算が今日の引け後の発表であり時間外では日本時間朝9時で10.7%ほど下げて23ドル台に突入しています。投資家が売り浴びせている理由は成長性への疑問ということになるかと思います。私は上場当初からその点は指摘していたと思います。
フェイスブックが今後スマホなどからの広告収入の手法を確立したとしても私は長期的な成長戦略という意味では重きを置いていません。理由はフェイスブックが一過性のブームを呼び込んでしまったという悲劇にあると思います。こういう言い方はある意味、かなり時代に逆流しているとは思いますが、過去、ブームとなったものは必ず廃れる運命を辿っています。なぜならブームは本当に好きではない人も「しょうがなくて」参加するケースがほとんどであるからです。
日本で何十年か前にボーリングブームがありました。テレビではボーリングがゴールデンタイムで放映されたし、街中にはボーリング場が雨後の竹の子のように出来ました。しかし、そのブームの去るのはもっと早かったというのはそれをしっている人たちは納得できるでしょう。
では、ゴルフ。バブルの頃、流行りました。しかし、私はこれは絶対に長続きしないと確信していました。理由はサラリーマンがそんな高いお金を払い続けるレジャーをし続けるわけがないと見ていたからです。事実、そのとおりになり、今でもゴルフしている人たちはそのときに本当に面白いと思って続けている人たちであり、いわゆるちょうちんをつけてゴルフを始めた人たちのゴルフクラブは物置の一番奥にほこりをかぶって眠っているはずです。
フェイスブックもそのきらいはあります。その前段としてツィッターがそうだと思います。ツィッターが日本で話題になったとき、大臣もツィッターで会議に遅れる、というのがニュースになるほどでした。今、コアな人たちはもちろん続けているでしょうけれど呟いている人は着実に減っています。
フェイスブックに対する逃げ足が何故速くなるか、これは、個人情報そのものだと思います。事実、興味本位でアカウントを作ったけど私の履歴を抹消したいという話が聞こえてきませんか? あるいは、フェイスブックのアカウントを持っていても本当に参加している人は案外少なかったりしています。私の周りも「ただ見ているだけ」と積極参加している人たちは案外限られたりします。
ウォーレンバフェット氏は私の主張していることに賛同すると思います。それはSNSを否定しているわけではなく、フェイスブックは今後も一定の存在感を維持するはずですがビジネスモデルとして絶対的なポジションは取れないだろうという点で成長性や将来性には面白みに欠けるということかと思います。
ブームは廃るようになっています。但し、消えてなくなるわけではないので今後、SNSがどう再編され、人間生活によりアクセスしやすいものが作られ、且、ビジネス的に面白いものが出来るのか、次のステップを考える時期に来ていると思います。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年7月27日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。
また、ウォーレン・バフェット氏は、米保険投資会社バークシャー・サウェイを率い「オマハの賢人」と呼ばれる投資家。フェイスブックのIPO後の株価下落に不満を募らせる投資家に対し、1000億ドルの価値があるかどうかが問題で、あらゆる株には下がる可能性がある、と嘆いた。