韓国李明博大統領の来年を示唆する二件の記事をネットに見付けた。先ずは朝日新聞の、韓国側「一顧の価値もない」 竹島問題提訴への同意である。
日本政府が17日、竹島(韓国名・独島〈トクト〉)問題の国際司法裁判所(ICJ)への提訴に同意するよう韓国側に求めたことに対し、韓国外交通商省は報道官の論評で「一顧の価値もない」とし、応じない姿勢を改めて明確にした。
ここ迄来てしまったからには今更引き返せない。「毒を食らわば皿迄」と言う所なのであろう。韓国国民を「ナショナリズム」と言う安物の酒に酔わせるのは結構である。
しかしながら、これでは日本政府も対抗措置として通貨スワップ協定の破棄や韓国国債購入停止に動かざるを得ない。
酔いが醒めた時は、「通貨破綻」から来る「経済破綻」と言う、二日酔いに起因する頭痛に悩まされる事になるのではないか?
今一つの記事、産経新聞の、対日強硬姿勢の李明博大統領は「ポピュリズム」 韓国与党、朴氏側近が批判が、韓国次期政権の抱く危惧と不満を端的に伝えている。
韓国の李明博大統領が竹島(韓国名・独島)に上陸するなど日本に強硬な姿勢を取っていることについて、年末の大統領選での与党セヌリ党(旧ハンナラ党)有力候補、朴槿恵元代表の側近が16日、李氏が「ポピュリズム(大衆迎合的な政治)をしている。対価は次の政府が支払うことになる」と批判した。
李明博大統領一連の愚行は、結果、韓国次期政権の負債となり自分達が尻拭いしなければならないと批判しているのである。当事者意識を伴い、李明博大統領一連の行為を分析すれば、こう言う結論になるのは当然である。
李明博大統領は次期政権から全く評価、支持されていない。寧ろ、問題視、敵視されているのではないか?
次期大統領就任を有力視されているのは朴槿恵氏である。言うまでも無い話であるが、同氏は漢江の奇跡を起こした、朴正煕元大統領の長女であり、父親の遺志を継承し、父親同様破綻に瀕した韓国の立て直しを期待されている。
先ず、竹島に就いて言うと朴正煕元大統領の認識は日韓の将来に暗い影を落とすものに過ぎず、「爆破したい」とコメントした経緯がある。この事実は米国立公文書館に保管されている外交文書に記録されている。
次いで、従軍慰安婦捏造の問題であるが、朴正煕元大統領は日本の陸軍兵学校を卒業し、日本将校として関東軍での軍務履歴もある。そして、彼はその事を終生誇りとして来た。
最後に、韓国歴代大統領に付ものの「ネポティズム」に起因する「汚職」であるが、朴正煕元大統領暗殺時個人的な資産は全く残していなかった。独裁者との批判を甘受し、富を私する事無く、母国韓国の為に働き、61才の若さで世を去ったのである。
その後、30年少しを経て、国家の置かれた厳しい状況を鑑み、韓国国民が長女に国の未来を託したいと願う気持ちが何となく理解出来る。
こう言った、経緯、状況から推して、朴槿恵大統領候補が李明博大統領に良い印象を持っているとはとてもでないが考え難い。
一方、李明博大統領と言えば、実兄や側近が政治資金法違反などの容疑で検察に相次いで逮捕されている。これは露骨に言えば、李明博大統領の親族や取り巻きが「シロアリ」化し、国を食い物にしたと言う事である。
朴正煕元大統の遺鉢を継ぐ次期大統領がかかる汚職を看過出来るとは思えない。厳しく接する事は確実である。ちなみに、盧武鉉前大統領は不正献金疑惑に依り厳しい取り調べを受け、自宅裏山で投身自殺している。
日本では未だ残暑が続いているが、李明博大統領の住む青瓦台では既に一足早い秋風が吹いているのではないか? そして、来年秋風が再び吹く頃に青瓦台の住人で無い事は確実である。
一体何処で秋風を感じる仕儀となるのであろうか?歴代韓国大統領の辿った轍を同様辿るのであろうか?
山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役