拝啓 島田先生 政党についてです

小幡 績

早速の反論ありがとうございました。

しかし、先生はわかっていらっしゃらない。

選挙に勝つことだけが目標。

それが、現代の政治家なのです。

この要因、歴史的な変化については、改めて述べることとして、それは所与です。

それが問題なのではありません。

問題は、どういう政治家が勝つか、ということ。

新しい党を作ることが支持される。

これでは、みんな常に新しい看板を探して、一番流行の看板の下で戦おうとします。

そうではない。


先生のおっしゃる公明党。

それが現代政党なのです。

票は党に入れる。

議員は、党の中での評判で出世していく。有権者の人気では必ずしもない。

先生は、ほかの政党には公明党のような軸がないとおっしゃるでしょう。

それが現代の難しいところです。

また、今の政治は現代政治ではなく、ポストモダンを求めている、ともおっしゃるかもしれません。

軸がない。

軸がないところに軸を作る。その難しさです。

だから、それは擬制しかない。

その擬制は、党という空箱です。

空箱を信じて、続けていくしかありません。

貨幣の自己循環と似ているかもしれません。

まさにこれはポストモダンかもしれません。

しかし、ちなみに、米国の二大政党制も、大恐慌の前から、選挙に勝つために、軸を戦略的に作ってきたのです。

それまでは徒党だった。

人的な駆け引きばかりだった。

政党の軸はそれをカムフラージュするための道具として使われたのです。

われわれは、空き箱を作り、それに意図的にだまされなければいけない。

本音だけの政治では、アナーキズムに陥ってしまいます。

それは先生がよくおっしゃるように、現代では、あるいはポストモダンでは、あるいはポストポストモダンでは、政府や政治の役割、国の意味が薄れているからです。

しかし、なくなってはいない。

そこが問題なのです。

また。