【更新】読売の著作権を侵害した上杉隆

池田 信夫

東京高裁で、上杉隆との訴訟の控訴審判決が確定した。結論は一審判決の破棄、つまり私の勝訴である。原判決が事実誤認にもとづいて求めた記事の削除命令は、すべて棄却された。裁判所の勧告で一部修正した記事を再掲する。

むずかしい話が続いたので、息抜きにお笑いネタを一つ:「郡山市には人が住めない」という記事でWSJ記者談話の件で批判を浴びた上杉隆が、今度は「上杉氏の記事・著作は読売新聞記事からの盗用である疑いが強い」という指摘を受けて窮地に陥っている。

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上の図の左側は読売新聞の3月19日の記事、右側は上杉が3月23日のメルマガに掲載したリストだ(彼の著書『国家の恥』で「著者調べ」として引用したもの)。このブログ記事も指摘するように、両者はまったく同一で「読売の記事ではイスラエル、ドイツ、台湾の3つだけなぜか後ろに全角スペースがあるが、上杉の記事でも全く同様にその3つだけ後ろに全角スペースがある」。 すなわち上杉の記事は読売オンラインの記事の著作権を侵害している疑いが濃厚である

これに対して、ダイヤモンドオンラインで上杉が苦しい弁解をしている。まわりくどい表現なので意味不明だが、要するに「おれがラジオでしゃべったことを読売が記事にした」と言いたいらしい。お笑いである。各国の大使館が退避勧告を出したことぐらいどこのメディアでも報道していたし、大使館のホームページを見ればわかる。

ところが彼は9月22日の記事で「当時の日本では、世界のこうした動きを報じるだけで『デマ扱い』され、非難の集中砲火を浴びたものだ」と書くのだ。読売の著作権を侵害しておきながら、「大手メディアが大使館の退避勧告を報じなかった」と非難する彼の頭の構造は、いったいどうなっているのだろうか。

いずれにせよ、これは明白な著作権法違反である。記者クラブメディアなら、書いた記者は懲戒解雇だろう。上杉は斗ヶ沢秀俊氏や江川紹子氏の質問も無視し続けているので、ダイヤモンド社が責任をもって答えるべきだ。

追記:私が引用した上杉Wikiの第2弾が出た。私と同じ論旨だが、詳細に上杉の嘘を検証している。