“失敗は他人の陰謀、成功は俺様”では「日本未来の党」に未来はない!

北村 隆司

総選挙で惨敗を喫した「日本未来の党」の嘉田代表は「結党から三週間足らずでの総選挙・投票日という戦いでした。敗戦は準備不足が原因です。大手メディアも加わった争点隠しを打ち破る力に、思いを一つにするには、時間と力が私たちには足りませんでした。」と言う声明を発表し、惨敗責任を時間不足に転嫁した。

あれだけ声高に解散を迫った小沢さんの政党にしては、余りにもみっともない弁解である。


他に「惨敗」の総括か反省があるかと色々探したが、「日本未来の党」のオフィシャルサイトは、選挙後は閉ざされた侭で、他にも見つからない。

やむなく、小沢一郎氏を教祖と仰ぐ天木 直人、植草一秀、板垣英憲、田中龍作等の諸氏の記事を探したが、これ等の諸氏に共通なのは、選挙前は圧勝を予想しながら、惨敗が決まると一転して「日本未来の党」や小沢氏には触れず、敗因をマスコミや米国等の陰謀に押しつけ出した事だ。

政党の基本は「自己責任」にある。真の敗因は、同党の掲げる政策の貧困さと、自分の思う通りにならないと党を飛び出したり、これまで保守の道を歩んできた小沢、亀井両氏が、今度の選挙に限り社民党や共産党と同じ政策を掲げて平気な体質を国民が拒否しただけの話である。

ほかの地域よりも「反原発」の感情が強いはずの福島県でも「日本未来の党」は選挙区議席を全て失い、比例選での得票率は7・2%に過ぎなかった。これに対し、原発の再稼働に前向きな自民党が勝利した事実がそれを物語っている。

植草氏は選挙前のブログでは :

「原発・消費税・TPPという、超重量級の三大争点が浮上しているのだ。いずれも日本の『未来』を左右する最重要テーマである。主権者が政策を最終判断する今回の総選挙は、文字通り『政策選択選挙』なのだ」

と書きながら、惨敗が決まると ;

「今回の総選挙で既得権益が狙った最大の目標は、主権者国民勢力のせん滅である。 既得権益はこの目的を達成するために、大がかりな情報工作を行った。その情報工作が功を奏して、この目的がかなりの程度実現した。」

と惨敗責任を「陰謀」と言う「幽霊」に押し付けている。

ここで、小沢信徒と「日本未来の党」の参考の為に、やや品の無いジョークをご紹介しておきたい :
韓国人は、なぜロケットひとつも満足に打ち上げる事ができないのか?
「それは日本人のせいである」
あれもこれも悪いのは日本人のせいだろうか?
「そりゃそうだ」
しかし、どうして韓国の人たちはこう何でもかんでも 日本人のせいにするのか?
「……」
それも日本人のせいだろうか?
「勿論だ」
なるほど。これが本当なら「日本未来の党」も韓流文化に染まり過ぎたのかも知れない。

2012年12月22日
北村 隆司