「ビッグデータ」活用のビジネスは局地的かも知れないがそれなりに話題を提供して来た。
一方、サービスの立てつけはやや異なるかも知れないが、武雄市図書館の管理・運営をTSUTAYAを運営する「CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)」に委託する事がネット上で話題を集めている。
のろまで、気の利かない地方行政に民間企業が取って替わる事で、「歳出の削減」と「サービスの向上」が期待されている訳である。
武雄市図書館のトライアルが成功すれば、あっという間に全国に広がる事が予想される。
それでは、「ビッグデータ」を活用するビジネスは順風満帆なのであろうか?
グーグルによる個人情報の管理が欧州連合(EU)指令に違反と判断し、イギリス、オランダ、ドイツ、フランス、イタリア及びスペインの欧州主要6カ国が共同で処分に向けた作業を開始との事である。
昨年欧州委員会からグーグルに通知された勧告が、結果的には完全に無視された訳である。ここまで来てしまっては、グーグルvs欧州主要6カ国の全面対決は避けられない様である。
さて、その全面対決の結果はどうなり?、一方日本はどういう影響を受けるのであろうか?
丁度半年前に、東大の玉井先生が下記記事で予想されている。
グーグルのプライバシー・ポリシーをめぐる欧州の動き─グローバル化の中でのプライバシー保護法制をどう考えるか(その1) — 玉井 克哉
グーグルのプライバシー・ポリシーをめぐる欧州の動き─グローバル化の中でのプライバシー保護法制をどう考えるか(その2) — 玉井 克哉
グーグルのプライバシー・ポリシーをめぐる欧州の動き─グローバル化の中でのプライバシー保護法制をどう考えるか(その3) — 玉井 克哉
上に参照した欧州主要6カ国にカナダ、オーストラリア、香港、そしてマカオが協調するとの事である。グーグル包囲網といっても良いかも知れない。
従って、今後欧州主要6カ国がグーグルの処分を決定すればこういった国々も当然追随する事になる。
世界の潮流が決定すれば、流石に呑気な日本政府も最早グーグルの放し飼い状態の継続は難しくなる。グーグルを法の檻に入れ、法律違反の場合に備え、欧州並みの厳しい罰則規定を準備する事になるのであろう。
一方国内企業も個人情報保護法の、より厳格な順守が求められる事になるはずである。
これは、飽く迄私の個人的な見立てである。
しかしながら、仮に私の見立てが正しいのであれば、グーグル問題がきっちりと決着するまでは「ビッグデータ」を活用するビジネスの将来は五里霧中という取敢えずの結論となる。
山口 巌