私の不合格体験記 --- 岩瀬 大輔

アゴラ

リクナビNEXTの「プロ論」に掲載されたインタビュー記事が好評で、「いいね!」が1,300を超えています。

僕はいくつかの転職をしてきましたが、振り返ってつくづく思うのは、転職は恋愛と似ているということです。その人がどんなに素晴らしくても、相性の 問題でうまくいかないことがある。僕も、バンバン面接で落とされました。ボストン・コンサルティング・グループを辞めた後も面接で2社落とされていますし、ハーバードだって2回落ちた末の3度目の正直でやっと合格したんです。僕のことをすごい経歴だと褒めてくれる人がいますが、努力しても落ちるときは落ちる(笑)。

だから、面接に落ちたぐらいでいちいち悩まないでいいんです。落とされたら、ただ「合わないんだろうな。わかってないな」と思っていればいい (笑)。恋愛と同じで、相性が悪ければ受からない。ある企業から評価されなくても、別の評価基準の会社にいけば、まるで違った評価を受けるかもしれないんですから。

そういう意味では、転職活動って、自分が評価される場を探すことでもあると思うんです。それが見つかるまでは、何度も落とされてしまうかもしれない。でも、心配しないで欲しいんです。きっと、いつかは自分と相性のいい会社が見つかるはずですから。恋愛と同じようにね。

結構、面接で落とされるんですよ、ワタシ。

司法試験では合格率90%と言われる最終の口述試験で、不合格を体験。

リップルウッドに移る直前の25歳。ウォーバーグ・ピンカスと、カーライルという2社のPEファンドの面接で落とされた。

ハーバードMBAも、不合格を2回経験したのち、3度目の正直だったり。実は本命だったスタンフォードは補欠で不合格。

留学中はインターン先として、長期投資を標榜する、ボストンにある投資会社を受けたのですが、「キャリアプランとして、10年くらいしたら自分のファンドを立ち上げたい」と言ってみたところ、「うちの平均在籍年数は20年以上。君のように短期志向の人間はいらない」と言われて落とされた。

あとはロンドンに拠点を置くヘッジファンドにもグリグリ絞られたあげく、「こいつは企業財務をきちんと理解していない」とイタリア人とフランス人に言われて不合格にされたり。

というわけで、皆さんも不合格の悔しい体験をされることがあると思いますが「悔しい!」と思わず、「俺はダメなんだ!」とも思わず、「ククク。俺の良さが分からないか、面接官よ。。。」と、適度に根拠のない自信をもって結果を受け入れるくらいがよいのではないでしょうか。

あ、中学生のときは生徒会長選挙に落ちて、高校生のときは応援団の「高2チーフ」というポジションの選挙で落ちました。これは人望がないという、別の問題ですが……。


編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2013年5月9日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。