旅の連載「Viaggio」の取材で壱岐のオーベルジュ海里村上に来ています。
福岡から高速船に乗って、さらにタクシーを乗り継いで約半日。朝7時25分の羽田からの飛行機に乗って出かけて、到着したのはお昼過ぎでした。時間はかかりましたが、それだけの価値のある圧倒的な魅力を持った宿でした。
入口から入るとまず目の前に広がる海の風景に圧倒されます。一面に広がる穏やかな海と島。どこの国にいるのかわからなくなってしまうくらい幻想的です。特に夕暮れになると言葉に表現できない色合いに空と海が一体化していきます。これだけでも見る価値があります。
そして、ここには温泉があります。温泉といっても泉質が違います。お湯が赤く染まった塩分の強い成分になっていて、つかっているととても気持ちよくいつまででも入っていられるような気がしてきます。
最近、デスクワークのやりすぎで少し腰痛があったのですが、入っているうちに痛みが和らいでいくような気がしました。この温泉は、あまり知られていませんが、かなりのアピールポイントです。
その上に圧倒的な食事があります。壱岐牛は松阪などにも仔牛が運ばれている牛の名産地です。この牛肉も凄いですが、何と言っても海産物のバラエティとクオリティがすごかったです。この日もアワビに殻つきの生ウニを始め、これでもかという位の料理が並びました。この新鮮さは東京でお金を出しても手に入らない価値です。
オーナーの村上さんとお話しましたが、日本中の美味しいものを食べ歩いたご自身が納得するもの以外は出さない、と断言していました。例えばアワビは近海で採れた黒アワビしか使わないというように、素材に対するこだわりは最高レベル。これだけ最高レベルの素材を追求した結果が、驚きのある料理を生み出しているのです。
自然の風景、温泉、そして食事。3つが揃ったリラックスできるオーベルジュ。またリピートしたい日本の宿が1つ増えました。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年5月15日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。