ふたりの素敵なお母さん --- 岩瀬 大輔

アゴラ

多くの財界人、著名人が通う歯科医の田北敏行先生。毎週、短いエッセイをイラスト付きで綴ったお葉書が送られてくる。タイトルは、「歯学センターの窓から」。いわば、アナログ版のメールマガジンだ。


これがまた、メールにはない、味わい深さがある。印字されたものだが、ハガキの材質にもこだわっておられて、人肌感と体温が伝わってくる。自分もいつか、こういう素敵なニュースレターを送るようになりたい。編集するのも、送付するのも、かなりの手間がかかっていそうだが。

今週は「ふたりの素敵なお母さん」と題して、パソナ南部さんと、ソフトバンク孫さんの母親の話が書かれていた。
南部さんのお母さんについて:

私は北原白秋の童謡に出てくる「お母さん」を思い出しました。静かで優しくて賢くて、子どもを見つめてくれる人……ご子息靖之さんの、お人柄の良さの秘密がわかったような気がしました。

この一文だけで、一度はお会いしてみたいと思うお母様像。そんな人に育てられた南部さんもとっても素敵な人なんだろうと想像を誘う。

孫さんのお母さんについて:

三人兄弟をお育ての頃には、語り尽くせぬご苦労をなさっているのですが、そのことは微塵も感じさせません。明るく笑って、「子どもたちはみんな、世界一親孝行で幸せです」とおっしゃるだけです。たくましく世話好きで情が厚い、懐かしい「日本のお母さん」です。

孫正義さんはお会いしたことがないのですが、こんな素敵なお母さんに育てられたら明るく、強く、育つに違いない。

母親の存在は大きいですね。母親像を語ることで、その人の知られざる顔や、心の奥に秘めた想い、人柄が伝わってくる気がする。

ちなみにうちの母親は、中高とずっとバレーボール漬けだった筋金入りの体育会。先生には体育大を勧められたが、就職したそうだ。今でも毎日フィットネスクラブにいって2~3時間運動し、誰とでも仲良くなる才能の持ち主。顔はやや角ばっているところが私と瓜二つ。たぶん勉強は得意でなく、会話もまったく論理性はないのですが、生活者の感覚と動物的勘をもって、おおむね結論は正しい、そんなタイプです。


編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2013年5月28日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。