5月26日に開催されたコッパ・イタリアの決勝のローマ対ラツィオの試合前の祝賀パフォーマンスに、江南スタイルで有名な韓国のラッパーPSYが出演したところ、尋常では無いブーイングがスタジオを埋め尽くしました。詳しくは動画を見てもらえればと思うのですが、ちょっと驚くほどです。韓国のメディアではこれに対して色々と「人種差別だ」というような批判が出ているようです。
でもサッカーに少し詳しい人ならこの原因が人種差別というより、11年前の因縁にあることが容易に想像がつくでしょう。2002年W杯の決勝トーナメント一回戦の韓国VSイタリア戦で、韓国代表選手がラフプレーを重ねてもほとんど反則にならないで、逆にイタリア側はちょっとした反則でカードが出たりゴールを取り消されるたりするなど露骨に韓国びいきの判定が連発されてました。極めつけはペナルティエリア内で倒されたイタリアの10番トッティ選手が、なぜか反則を受けた側であるにもかかわらずシミュレーションを取られてレッドカードで退場させられてしまいました。公式には認められていませんが、この試合が八百長だったというのは世界のサッカーファン周知の暗黙の事実です。ちなみにFIFAが発表した歴代誤審ランキングの6位と7位はこの試合から選ばれています。先に上げたトッティ選手と言えばローマのアイドルですから、そこに韓国人が乗り込んでよりによってサッカーの試合前にパフォーマンスをするということで当然反感を買い、冒頭にあげたような事態につながった訳です。
でここで、韓国が悪い、とか言うような話をする気はあまり無くて、「卑怯なことをやられた方はいつまでも根深く覚えているんだな~」ということを映像を見ながら痛感したわけです。いくらあんなことがあったといえども11年経てばみんな忘れているもんかな~、と思ったら今でもあのブーイングですからね。上述の八百長試合のような露骨なケースは少ないにしても、国際外交でも裏で上手く立ち回って札束で顔をひっぱたいたり棍棒で脅されて状況が覆えるなんていうことはたくさんある訳で、こういう話は結構通じるようなところがあるんじゃないかと思っています。
折しも安部総理がアフリカへの投資の拡大を表明したようですが、彼の地での投資で先行する中国が一部でエゲツナイ商法をして評判を下げているようです。例えば、ザンビア、アンゴラ、スーダンあたりでは中国人の開発手法を巡って暴動が起きているようで、タンザニアなんかでは5月22日ごろに天然ガスパイプラインの利権を巡って「地元に全く利益がない」ということで暴動が起き、数名の死亡者がでたようです。先ほどのPSYの例とは比較にならないかもしれませんけど、今ここで上手く抑え込んでもやられた方はいつまでも覚えている訳ですから、10年、20年単位で問題が起きないはずが無いと思うんですよね。
そんなことを見ながら、当たり前の話だけれど後発の日本としては中国のような手法に走らず、フェアな関係を貫いて地道に信頼関係を構築して、双方に取ってwin-winな経済構造を作っていくことが一番なんじゃないか、というようなことを感じました。まぁ本当に当たり前の話なんですけどね。
それにしてもイタリア人が未だにサッカーという文脈では韓国に対して恨み骨髄であるというのはビックリしたな~。PSYもあれはトラウマになるでしょ。ではでは今日はこんなところで。
編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年6月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。