老後に必要なのは、金融資産2000万円より、「チャリンチャリン」 --- 内藤 忍

アゴラ

今月も資産運用に関するセミナーが続いています。お金に対する関心が最近また高まっているように見えるのは、やはりこの半年で株高、円安が随分進み、資産運用の必要性を感じる人が増えてきているからだと思います。

先月下旬から、日本の株式相場が調整し、アメリカの金融政策を巡る市場の思惑から、為替や金利も不安定な動きになっています。


しかし、私のセミナーや講座に参加している多くの方は、そんな短期の相場変動で儲けようと思っているのではなく、10年単位の将来を見据え、自分の資産運用をどうしたら良いか真剣に考えているのです。

例えば、老後資金として20年後にいくらあれば良いのか、といったことを考えている人たちです。

最近、セミナーやパーソナル・コンサルティングのお客様から良く聞くのは、資産を殖やすことより、インカム収入が欲しいという声です。

例えば、老後の資金として、2000万円金融資産を持っているのと、毎月10万円収入が入ってくるインカム資産を持っているのでは、どちらが安心できるか。

2000万円は、自分で運用を続けなければ毎月10万円使っていくと20年足らずで無くなってしまいます。しかし、毎月10万円のインカムを生み出す資産を持っていれば、環境が変わらない限り、10万円をずっと受け取ることができます。

老後の資産が必要と考え、金融資産を貯めこんでいっても、それを使い始めるステージになると、今度は資産が減っていくのが恐怖感になってしまい、なかなか使うことができないということになってしまいます。なぜなら、想定しているより長生きしてしまうと、お金が無くなってしまうリスクがあるからです。

インカム収入が得られるような資産を作っておくことの方が、現金で資産を持っていることよりも安心できる。その収入が安定していればしているほど、それが自分で年金資産を作っているのと同じように老後の安心につながるのです。

と考えれば、定年までに2000万円というように将来の資産額の目標を決めるよりも、定年までに毎月10万円の収入が得られる方法を作り出すとした方が、本来のニーズに合った目標設定に近いと言えます。

では、そんなインカム収入が得られる方法はあるのか。債券投資では、低金利下で十分なインカム収入を得ることができない一方、海外不動産投資は、その有力な方法の1つだと思います。

定期的に収入が入ってくるビジネスを「チャリンチャリンビジネス」と言います。資産運用における「チャリンチャリン」の方法がどこかにあるのか。簡単ではないと思いますが、そんなお金の不安を減らす方法が見つかれば、皆様にもご紹介したいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年6月21日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。