日経新聞で特集を組んでいる「Wの未来」。このところ、電子版でも女性の活躍に注目するような記事が目立ちます。もともと安倍政権の成長戦略第一弾で女性の更なる登用を期待するものになっていることも大いにあるかと思います。一方で企業内の女性のポジションはいまだ、男性におされているのが現状でこれをどう打破していくか、注目されるところです。
北米では女性の活躍が目立つ、というか、女性だろうが男性だろうが性別は関係ない、といったほうが正しいかもしれません。なぜ、女性が社会にこれだけ進出しているか、といえば一人間としての確立ではないでしょうか? そして社会がそれをサポートする体制がよく整っています。
北米の人の朝は早いのですが、なぜならば残業は朝やるか家に持ち帰る、というケースが多いからでしょう。男性社員が夕方5時に帰社するのは子供を託児所からピックアップしたり、家で食事の準備をすることもあるでしょう。私の住むコンドミニアムの下にはクリーニング屋があるのですが、それを持ち込むのは男性のほうが多いくらいです。
つまり、北米の夫婦において主従関係はなく、完全なる同一の権利と義務を持っています。これはひねくれて考えれば離婚してもどちらかが食いっぱぐれることがないともいえるのです。これを社会が認めることでワークしているのです。奥様が仕事で顧客とディナーのご接待、旦那が家で子供の相手をして待つ、というのは驚くべきことではないのです。
日本で女性の社会進出が遅れている理由は数多くあるかと思います。男女雇用機会均等法は1972年にオリジナルが成立しその後、1986年、97年、99年、07年と改正されています。ざっくり約10年ごとに変わってきており、特に99年の改正は制度的に女性が働ける制約がなくなったことが大きかったかと思います。
しかしながら、今後、女性の社会進出を進めるには男性、女性、企業、政府の各方面がそれぞれ、更なる改善をしなければなりません。男性、女性はそれぞれの意識改革を更に進めることが必要でしょう。企業は女性にはこの激務は厳しいとか体力がいる、という先入観や固定概念を捨てるべきでしょう。そして政府は女性が社会進出しやすい環境の仕組みづくりを目指してほしいと思います。
私は特に扶養控除のシステムを見直し、計算方式の再構築をすべきかと思います。ほとんどのサラリーマン家庭において奥様が仕事をするにあたり、「扶養控除からはみ出さないように」ということがいわれているかと思います。これはメンタルバリアを含め、最大の欠陥であると思います。
もうひとつ、男性の私からすれば男性自身が変わらなくてはいけないでしょう。まず、「嫁を仕事に出す」という抵抗感をなくして欲しいこと、男性が家庭を支えているという無理をせず共同で頑張るという姿勢に変えること、男性が家事をこなせる技量を身につけること、自分だけ疲れているという我侭をなくすことだと思います。
働く女性を見ていると朝食の準備、子供の弁当、送り出し、自分の出勤準備、仕事を終えても夕飯の支度、お風呂の準備など時間的効率を求められる作業ばかりです。男性は新聞やテレビニュースを見て、どんと構えているの見ると、女性の方がてきぱきと動き、しっかりしていると思われるのは当然なのです。
ある意味、今後、時代と共に男性より女性のほうが社会的に上回ることも大いにありえると思います。
男性諸君は身を引き締めなくていけないということかもしれませんね。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年7月5日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。