週末にセミナーを開催することが増えています。昨日は午前中に立教大学の学生向けに、マネーリテラシーの90分講義を行いました。
冒頭で、今までお金について授業で習ったことがある人は?と聞いてみると、何と皆無。やはり、学校ではお金のことを学ぶ機会がほとんどないようです。
90分という短い時間では投資信託や株式といった個別の商品の話はできませんから、リスクとリターンの関係、投資で失敗する人のパターン、現状把握と目標設定の重要性、リスク管理の方法、外貨投資の重要性、日本人の資産運用の問題点……などを駆け足でお話しました。
中学、高校レベルでのお金の教育も重要ですが、大学生になったら、それに加え経済の動きや将来の資産形成の方法についても勉強をしておくべきだと思います。
社会人になると、仕事が忙しく、自分のお金のことまで勉強する余裕はありません。気が付かないうちに、時間が経過してしまい、40代、50代になって慌てても、資産形成に残された時間は減ってしまっています。
20代であればまだ40年以上の資産運用ができます。株式投資をしなくても、投資信託の積立によってグローバル分散投資を行えば40代くらいまでには、それなりの資産が形成できるはずです。仕事に余裕が出てきたら、今度はそれを活用する方法を考えることもできるのです。
一か八かのギャンブルではない真っ当な資産運用を学び、それを実践する機会があれば、経済にも興味が湧き、仕事にもプラスになります。仕事で稼ぐことと、お金に稼いでもらうことは、これからのビジネスパーソンにとって、車の両輪のように大切なものだと思います。
3年間続いた、実学を学ぶこの授業も、来年からはカリキュラムの改訂があるため、開講されなくなってしまうそうです。人気があるのに、何だか残念なことです。早稲田では社会人向けに資産設計塾の講座を定期的に開講していますが、どこかの大学で、学生向けにこのような講座を開講しようというところは無いものでしょうか。
大学での講義というのは、仕事と言うよりはボランティアですが、日本人の資産運用を変えるという自分のミッションを実現できる1つの方法ということで、続けていきたいのです。ちなみにこの講座、社会人のモグリの受講生な何名か入っているそうです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年7月7日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。