ホンマかいな温暖化 --- ヨハネス 山城

アゴラ

よう晴れた夏の午後。窓を閉め切りカーテンを開け、1時間ほどしてから、この記事を20回ほど音読する。手軽に熱中症になる方法や。非常に暑苦しいと好評のワシの記事。今回は特にパワーアップや。

原発の再稼働がらみで「地球温暖化はたぶんウソやろ」と書いたら、けっこう反響があった。もう少し厳密に言うと、「地球温暖化はたぶんウソやろ」と思う。えっ「代わり映えのせん言い直しは、学者ぶってて暑苦しい」って。放っといてくれ。


今、トレンディーな地球温暖化論は、「1)化石燃料の大量消費で、2)空気中の二酸化炭素濃度が急上昇して、3)温室効果によって、4)地球の気温が上昇して、5)さまざまな悪影響がある」という形式や。

まず1)、二酸化炭素の濃度上昇が化石燃料のせいかどうか疑問や。もしそうなら、炭素の同位体比から、かなりはっきりわかるはずやが、そういう研究を見たことが無い。

まあ、ワシは現役やないから見落としているだけかもしれん。そやけど、これだけ重要なテーマやから、化石燃料由来の炭素が何%あるのか、定番のデータがありそうなもんやが、ネットで検索した範囲ではない。だれか、知ってたら教えてほしい。

ただし、「二酸化炭素濃度の上昇が化石燃料のせいやない」ということになっても、あまり喜ばんほうがええ。対策のたてようがない(必要かどうかは別)ということやからな。

2)は、おそらく本当やと思うが、どの程度の上昇なのかは、かなり心許ない。ハワイの天文台のデータがよく引用されるが、上昇は地表付近だけという可能性も大きい。化石燃料のせいなら、むしろそのほうが自然やろ。

3)の温室効果。これは因果関係の実証やから、もともと困難な作業や。取り組んでいる研究者には敬意を表したいが、はたして今の技術で可能な話なのか疑問や。

温室効果というのは、実際の自然の中で観察することは全く不可能や。唯一の研究方法がスパコンを使ったシミュレーション。有限要素法と言って地球の大気を何万何億のブロックに区切って、それぞれの最初の二酸化炭素濃度や温度を仮定して、相互の影響でどう変化していくかを見るわけや。当然ながらこれが機能するのは、最初の仮定が現実に近い場合だけや。そうでないと、銭のかかったテレビゲームになる。

大気中の二酸化炭素濃度、0.03%から0.04%となっている。ペットボトル1本に数滴。もともと、かなり微妙な話や。二酸化炭素は酸素や窒素よりもかなり重いから、地表付近に固まっている。同じ地表でも海上と陸上では全く違う。

それどころか、陸上でも数m単位でかなり増減している。ヤブ蚊が人や獣を見つけるのに二酸化炭素を使っているのは有名な話や。これに風、雨、雪、植物などの影響が加わる。こんなもん、どうやって地球全体のシミュレーションするねん。逆に言えば、二酸化炭素の分布を好き勝手に仮定することもできるということや。

1)の気温上昇。IPCCの偽データ事件で一番問題なったのがこれや。イカサマ以前に、彼らの言い分の「1度か2度の上昇」を考えるほど、今の科学は進んでおるとは思えん。地理的にも時間的にも、その数十倍の変動がおこっているところ(これを書いている今現在の気温は正月の朝より30度以上高い)で、そんな針の穴を通すような細かい議論に意味があるんかいな。

ちょっと前までは、5)の代表例として、海水面が上昇してツバルが沈む。てな話がはやっていた。どうせなら沖ノ鳥島の心配したほうがええとも思うが、どうも、この話自体がうさんくさい。

「温暖化」で海水面が上昇するには、陸上の氷が溶ける必要がある。ぷかぷか浮いてる氷山を全部溶かしても、海水面は上昇せん。これはコップに浮いている氷が溶けても、水があふれることがない、というのと同じことや。

陸上の氷の大部分は南極大陸にある。そやから、寒冷化が進んで他の四大陸が氷河だらけにならん限り、海水面の上昇は南極の氷の増減だけで決まる。ほな、もし「温暖化」が進んだら南極の氷が減るかというと、そんな単純な問題ではない。

南極の氷というのは、もともとは降った雪や。それが万年雪になって固まり、やがて自分の重さで流れ出し氷河となり、最後は海に出て氷山になって大陸から離れていく。

南極の陸地部分の大部分は氷点下の気温やから、少々の「温暖化」では大陸上の氷は溶け出さへん。また、いったん南極から離れた氷山(当然、海に浮かんでいる)が、いくら溶けてもさっきの原理で海水面は上昇しない。つまり、南極大陸の氷河の流速が上がって、氷山の供給量が増えない限り、海水面はびくともせんわけや。

それどころか、短期的には「温暖化」によって、南極上空の水蒸気が増えて、雪が多くなれば南極の氷は厚くなる。海水面は逆に低下するはずや。

この話が有名になるに従って、「沈む沈む」という声が聞こえなくなっている。無責任なもんや。戦場カメラマンとツバル、どっちが先にリバイバルするか、現在のワシの興味はその一点にある。 

年間海水面上昇が1mmとか2mmとかIPCC系のセンセは言うてはるが、例によって、こんな細かい議論ができるはずがないがな。たとえば、ハワイ諸島は毎年数cmぐらい、太平洋の底もろとも日本列島に近づいてきているが、こういうことの影響、誰が計算するねん。少なくともワシはイヤやで。

最初の「地球温暖化」と「地球温暖化論」の違いに話を戻そう。化石燃料による地球温暖化がおこっているかどうか、はっきり言ってこれはわからん。おそらく永遠にわからんやろ。だから、ウソ呼ばわりすることは控える。

そやけど、今の科学、特にシミュレーション中心の現状の研究方法で「温暖化」を立証することは、どう考えても無理がある思う。そんなことで予算と人員と時間を消費するなら、温暖化が起こることを前提に対策を考えておいたほうが、よっぽど話が早い。

だいたい、過去の化石燃料の使用で温暖化がおこったんやったら。下手をすると屁ぇコイてからケツを押さえている可能性まである。「石炭を燃やすな。再稼働じゃい」と騒ぐより、温暖化を前提とした都市計画や。農業品種の研究に力を入れたほうが、生産的やと思うがのう。

ヨハネス 山城
通りがかりのサイエンティスト