「評判社会」における人間関係は「先入観」を持たないほうがいい --- 内藤 忍

アゴラ

原稿の締め切りの合間をぬって、日々色々な方とお会いしています。ご紹介でお会いしたり、メールでいきなりコンタクトがあったり、パーティなどでお会いしたことがきっかけになったり、お会いするまでの経緯は様々です。

しかし、ほとんどの場合、新たにお会いした方であっても、紹介してくれた方以外にも複数の共通の知り合いがいたりします。つまり、初めてお会いした方であっても、複数の共通の知人がいたりするのが当たり前ということです。


このような狭い世界になってくると、「評判」というのが非常に重要になってきます。お互いに共通の知り合いの話で盛り上がったりすると、そこでその人たちのことが勝手に情報交換されてしまうからです。

このような「評判社会」というのは、便利な面もあります。知らない人と仕事を始める時には、やはりどんな人なのか気になりますから、事前にその人のことを聞けるのは安心材料になります。

しかし、一方でこの評判というのも、必ずしも正しい情報ばかりではないという問題があります。「評判」とは「噂」のことでもあります。ネガティブな情報を流されてしまって、誤解されている人もいたりするのです。

だから、評判は大切なことであるけれども、本人に会ってもいないのに、勝手に評判だけでその人を判断するのはやめようと思っています。

実際にお会いしてみると、印象が変わってしまうこともありますし、思い切って悪い噂について聞いてみると、間違った情報に尾ひれがついて、広がってしまっているケースもあったりします。悪意があってそんな評判が広がった訳では無く、伝言ゲームで話が大げさになってしまったりもするのです。

投資に関する情報収集の重要なポイントは、なるべく川上に行くことです。情報のまた聞きではなく、情報源に直接当たることで、本当の事実に近づくことができるからです。

人間関係もそれと同じです。評判による情報の収集も大切ですが、最後はやはり直接お会いして、その上で自分がその人とどのような関係になりたいかを決める。お会いして、お付き合いしてみて、信頼関係が築けなければ、その時点で、もうこれ以上コンタクトしないという判断をすれば良いのです。食わず嫌いは、大切なチャンスを逃がしてしまうかもしれません。

仕事であれ、プライベートであれ、まず会って、お話する。誰でも無条件にお会いする訳にはいきませんが、先入観を持たないということを大切にしたいと思います。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年7月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。