「名刺」には、その人を知るためのヒントが隠されている --- 内藤 忍

アゴラ

初対面の人にお会いする時、意外に気にしてしまうのが名刺のデザインです。会社に勤務している人は自分でデザインできないのが通常ですから関係ありません。でも、自分で会社を経営している自営業の人は、名刺のデザインも恐らく自分でしているでしょうから、その人のセンスが現れているように思います。

名刺に書いてある情報、フォントや文字の配列、そして髪質や印刷の鮮明さ……。名刺交換をする度に、無意識のうちにそんな名刺に込められた情報から相手がどんな人なのかを想像します。

だから、私は「名刺の制作には時間と知恵を絞るべき」と思います。


今年、資産デザイン研究所を立ち上げた時、新しく名刺を作ったのですが、まだ自分の名刺に納得していません。改良しなければならない気になるところが、細かい点ですが、いくつかあるのです。

デザインはインターンで仕事を手伝ってくれているデザイナーの女性にお願いして作ってもらいました。色合いや文字のレイアウトなど、とても満足できる仕上がりだったのですが、やはり使っているうちに、自分の気が付かなかった改善点が見えてきます。これはデザイナーの問題ではなく、発注した私の問題です。

1000枚作った名刺は半年経ってそろそろ在庫が少なくなってきました。そこで、名刺を新たに改良して制作しています。

その中で今回一番の変更点は、紙質です。

以前の名刺は軽快な感じにするために、できるだけ薄くしていたのですが、使ってみると警戒というより安っぽいイメージに思えてきました。そこで、もう少し厚めで、マットな雰囲気の紙を選んでもらい、その中から今回印刷する紙を決めました。

実際に出来上がってこないと、厚さのイメージはつかめないのですが、今までよりは少ししっかりした名刺になります。

文字のレイアウトもデザイナーの女性に微修正してもらっています。自己満足と言われるかもしれませんが、名刺の細かいところに気を使うことは、仕事の細かいところに気を使うことにつながるのです。

来月くらいから新しい名刺になります。パッと見、ほとんど変わらないと思いますが、目に見えないくらいの改善を繰り返していくのが仕事の基本。名刺も毎回バージョンアップして、いずれは「この名刺のデザイン良いですね」と言われるくらいのものを目指しています。

印字が不鮮明な名刺、文字がたくさん入りすぎてわかりにくい名刺、シンプルで最低限のことしか書いていない名刺、カラフルで広告チラシのような名刺・・・名刺にはその人のセンスと伝えたい気持ちが無意識にあらわれます。

だから、自分を表現するブランディングの1つとして、大切にすべきだと思っています。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年7月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。