幸せは現状だけが決めるのではなく、未来への希望でも決まる --- 内藤 忍

アゴラ

ホーチミン経由でカンボジアのプノンペンから17日の早朝に戻りました。火曜日出発の土曜日朝戻りで2か国という慌ただしいスケジュールでしたが、2つの国を自分の目で見る機会はやはり貴重な体験でした。

写真はプノンペンの中心部です。赤茶色の屋根が美しい街ですが、街中に行けばまだ屋台の自転車、トュクトュクと呼ばれるバイクのタクシー、自動車、バイク、そして歩行者。道はいつもカオス状態で、車線を逆走する車も珍しくありません。


街中にはレクサスのような高級車もかなり走っていますが、ホームレスの子供の物乞いがいたり、貧富の差は大きく、決して豊かな国でもありません。

政治的にも、選挙直後でフンセン首相率いる人民党と新勢力の救国党のパワーバランスが国内の政治的な不安定さをもたらすのではないかという懸念もあります。これは5年後の次の選挙までに再び問題になるかもしれません。

しかし、わずか2日間の観光客目線かもしれませんが、街で見る地元の人の表情はとても明るく見えました。

その理由は、人間の幸福とは現状だけではなく、未来への希望によっても決まるからなのだと思いました。

カンボジアの経済成長は年率7%を超える水準です。暗黒の時代が終わり、経済的にも少しずつ豊かさを実感できるようになってきました。街中にはオシャレなカフェがたくさんあり、日本よりもレベルが高いのではないかと思うくらいです(スターバックスはまだ進出していません)。

まさに日本で言えば昭和30年代のような、発展段階。今の生活には不満があったとしても、「明日は今日よりきっとよくなる」という希望が気持ちを明るくさせるのです。

中心部の写真を見ても、高層の建物は数えるほど。でも逆に言えば、それだけこれからの可能性があるということでもあります。カンボジアのカントリー格付はシングルBですから、一般の機関投資家の投資適格からは外れています。これも、格付がもし今後上がっていけば、投資対象としてより魅力的になっていきます。

今回、分譲物件を6件、賃貸物件も3件視察しました。その中で購入を検討しているのは、写真の左端の高層のコンドミニアムです。来年の春に完成するということで、工事現場にも入って、実物を見せてもらい確認しました。

今週から書店に並んでいる『貯金が1000万円になったら資産運用を考えなさい』では、1000万円以上の長期運用資金を持っている人に、投信、株、債券などの金融資産と海外不動産を組み合わせた資産配分を提案しています。これは、私自身が自分の資産だったらどうするかを考えて作ったポートフォリオです。

書中では、海外不動産についての「ベータを取りにいきながら、同時にアルファを狙う」戦略をご紹介していますが、まさに自分自身でも実践しています。

アメリカ、マレーシア、そしてカンボジア。リスクの高い投資もありますが、「ノーリスク、ノーリターン」というのも事実です。投資対象の分散と、自分のリスク許容度を常に意識しながら、意味のあるリスクをこれからも取っていくつもりです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年8月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。