給料は需要で決まる? その2

竹内 裕人

先日のしがない投稿にもかかわらず、コメント欄にご意見いただいたのですが、その2として投稿させていただきます。興味の無い方には大変申し訳ないですが、ご容赦願います。

松本 孝行さん
需要と供給で『給料が上下』するのも重々承知しています。
しかし、現在のように契約社員をはじめとする、きちんと仕事をしたいにもかかわらず、体力がある大企業が長期間にわたり低い給料でしか求人をしなければ、雇われる側は体力(預貯金など)が無いために応募するしかなくなるんじゃないか、と感じています。また、雇われても雇う側の都合のよいところで首切りが行われ、ある程度の安定を持ちたい雇われる側が仕事につきにくくなるのではないかと思っています。もう一つは、下でまとめてお書きします。

人がいないから給料を上げるお話ですが、一定の仕事を基準にして給料が上下するのはありだと思っています。今の日本だと、給料の上下(主に下落)がひどすぎるんじゃないかと思っての今回の提案です。

坪根 崇典さん
見積もりの甘さを反省して5000円にするか交渉してみよう、は、雇う側の都合のみを考えた給与の下げすぎの原因ではないかと思うのです。1立方メートルを穴掘りしたのに、その単価が変わるのは、今の資本主義では通貨の価値変化、物価の変化、海外での価格、そして需要と供給の変化などで発生しているので納得できます。ただ、一定の仕事をしたのに半額しか払いません、というのがおかしい話だと思うのです。

小銭稼ぎと書かれていますが、これだと事実上のボランティアです。仕事を金持ちや小銭稼ぎに半分ボランティアとしてやられてしまうと、真剣に働こうとしている人たちにしわ寄せが行きます。たとえそれが付加価値のない仕事であっても、本来あるべき給料よりも減ってしまうことになる可能性を秘めているのはご理解いただけるでしょうか。

ちなみに、単純作業での自らの努力には限界があり、最終的には生活の切り詰めがどんどん進み、真っ当な生活ができなくなるのではないでしょうか。今の生活保護費との低価格バトルがいい例ではないでしょうか。

伊勢 浩信さん
>大卒の社員はその人がそこまで育てるのに要した教育費や日本の場合は社会的なインフラも考慮するべきでしょう。高価な環境で育った人物にはそれに相応しい賃金を支払うべきです。

これは間違いではないでしょうか。私のように高価な環境で育った人間が、実は単純作業しかできないの高額な賃金をもらっては、同じ仕事で低い給料の方から不満が出ます(少なくとも、私はその批判を受けているしがないサラリーマンです)。非効率とおっしゃっているとおり、会社として理想を考えればあり得ない配置でしょう。働いている側は仕事の結果(私はその作業内容がそうあるべきと考えていますが、日本の一般的な定義ではできあがったもの、売り上げや利益)により給料が決まっていることがあるべき姿とされていると感じています(私は経営者ではないので、どこまでそうしているのか、そうしようとしているのか、どれくらいの会社がどういう現状なのかなどは存じません。申し訳ないです。)。

中村 和彦さん
>その「1万円の穴掘り仕事」の価格はどのように決まっていると思われます?
現在の話であれば、皆さんの考えでは、発注する側が提示して、応募する人の集まり具合で決まっているということでしょうし、私もその認識です。
>そして貴方の給与の原資はどこから出ているのでしょうか?
顧客の支払い→会社の売り上げ→給料、という質問でしょうか?

大企業は、法の制限がなければ、私のような単純作業しかできない人間にならとんでもなく低い給料で雇い始めるのではないでしょうか。たとえば、日本の企業の工場が多いとされるタイであれば、最近のニュースでは最低賃金1日1000円です。日本であれば、こちらの発表のとおり、1時間749円で、1日8時間とすれば5992円で、タイの約6倍です。詳細については存じませんが、もしこの金額がほぼ同じ制度、仕組みでの金額であれば、約6倍の給料差での戦いを強いられる可能性があります。

皆さんのコメントのとおりであれば、最低賃金制度がなくても生活可能な範囲で落ち着くということでしょう。しかし、仕事内容でこれくらいの単価だ、というのはお互いに分かると思います。穴掘りなら◯円くらい、木材の運搬なら◯円、プログラミングなら◯円、盲腸の手術なら◯円、と。あとは、それを決める人々のモラルで、利益をいくら取るか、コストをどこまでカットするか、を考えるべきだと思います。

日本人が日本で真っ当に仕事ができ、真っ当に給料が払われるためには(世界中に対しても思っていますが)、全世界で通貨が統一されて通貨の価値変化がなくなり、一定の仕事には一定の対価を支払い、『質が悪い』『時間がかかる』『努力しない』『改善しない』人は選ばれない、という入札的な話にし、金額は極端に上がったり下がったりすべきではないと思っています。(私は一番に首になるでしょうが(ーー;))