昨日発表された米国のFOMC議事録を振り返って……エコノミスト諸氏の見解をみてみましょう。
BNPパリバのジュリア・コロナド米国担当主席エコノミスト
今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受け、12月に
バークレイズのマイケル・ゲイピン米エコノミスト
FOMC議事録では、9月に買入を縮小するとの当方の予想を変更
以上の見解をみると、WSJ紙がこんな2つの記事を配信した理由が垣間見えるというものです。QE縮小を先送りてほしいことも、にじみ出てましたけどね・・。
融紙にとどまらず、全米発行部数でトップに君臨するとはご立派。
FOMC議事録では新たに、固定金利方式の翌日物リバースレポを導入する可能性を検討していたことが分かりました。
翌日物リバース・レポでは、FRBがプライマリーディーラー(米公認政府証券ディーラー)や大手マネー・マーケット・ファンド(MMF)に米国債を売却し、銀行システムから一時的に資金を吸収し翌日に買い戻します。銀行システムから一時的に資金を吸収しながら、プライマリーディーラーやMMFは利息を受け取るんです。
なぜ、こんな議論が展開されたかと申しますと。
JPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ米国債主席エコノミストが、こんな推察を展開しておりました。
「ノンバンク、特に政府機関にとって超過準備金(IOER)の付利に相当するものだろう。GSEが資金調達する目的で発行する短期証券の金利を低水準に抑えることが可能となり、かつ取引の急増を抑制しうる。金融政策を長期的に正常化するにあたって潜在的な手段とされ、出口政策の一環というわけではない。当方の見方が正しければ、金融政策を巻き戻す段階でもFedのバランスシートおよび銀行システムには引き続き潤沢な超過準備が存在する見通しだ。」
ちなみにフェローリ氏、QE縮小は9月派です。
個人的には、こちらでお話したように12月の予想から9月に変更しました。でも、石橋を3度以上叩きそうなほど慎重なFedの動向をみてみますと、一筋縄で発表しない可能性があるのではないかと。例えば、9月に「まもなくQE縮小を開始する」とアナウンスしながら、「正式な実施は経済指標次第」とかね。ひとまず8月29日の米4~6月期GDP改定値、8月30日の米7月個人消費支出および所得、9月6日のFOMC声明文を見極め、仕上げはごろうじろ、ってとこでしょう。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年8月22日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。