お隣に惑わされずに日本は健全な民主主義国家であるべきだよねという話 --- うさみ のりや

アゴラ

最近中国と韓国それぞれで自国民の扱いについて「えっ、ちょっとこれはヤバいんじゃないの」というような報道が相次いでいます。

【中国で次々と人権活動家が牢屋に入れられている模様】
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013081800162
【韓国で親日派の財産28億円が没収された模様】
親日派の財産没収 3年で28億円 - ライブドアニュース
過去3年間で韓国政府が、親日派の子孫から没収した財産の総額は約28億円に上る。親日派の財産に関する訴訟はおおまかに3種類に分けられる。没収した財産は、独立の功労者やその遺族たちに支払われることになるという


まず前者ですが、共産党有力幹部の資産公開を求めただけで牢屋にぶち込まれるという中国にありがちなお話です。おそらく薄熙来氏の裁判を目前に当局が相当敏感になっているのでしょう。後者についてはたびたび事後法・遡及法として問題視されてきた、いわゆる「親日法(親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法)」が順調に施行されている実態を示しています。そしておそらく朴大統領は自らの親日疑惑を免れるためこの法律の施行を加速化していくことが見込まれます。新日鉄住金の賠償判決への対応も、このような姿勢の延長線上に位置づけられるような気がして、なんとなく大きな外交問題に発展する予感がします。韓国の最高裁はもはやぶっ壊れ始めていて、4日には日本から爵位を受けた人物に与えられた財産を没収対象にすることは合憲だとの判断を示した(http://sankei.jp.msn.com/world/news/130804/kor13080416310003-n1.htm)、なんて話も出ています。

ゆきち

中国が人権を蹂躙する国であったことは周知の事実なのですが、一応民主主義国家である韓国がここまでバランスを崩してしまったのは予想外でいささか残念であります。こうなっては福沢諭吉翁が脱亜論において「不幸なるは近隣の国にある」ということを唱えたのも何となく、共感してしまうところがあります。

こういう隣国の迷走を見ると、改めて日本がアジアの中でどのような国であるべきかということどうしても考えてしまうわけですが、個人的には「アジアで孤立する」などという訳の分からない理由で、隣国のこのような行動を見て見ぬ振りをすることが下の下だと思うわけです。人権というのは国家という枠組みにとらわれない普遍的な価値を持つのですから、むしろこういったおかしな動きにきちんと対峙して、隣国の中でまともに戦おうとしている人たちを支援するのが日本のあるべき姿なのではないか、と感じる次第です。

いまや韓国政界は反日一色で、靖国参拝した議員のリストが出回ったり、福田元首相が(おそらくなんらかの特命を背負って)韓国に行ったのに放置されたり。韓日首脳会談はまたも流れたりと、日韓関係は過去最悪を迎えそうな勢いですが、別に日本がおかしいことをしているわけではないのですし、安倍首相には変に折れること無く、健全な民主主義のあり方を堂々と主張して欲しいものです。

我が国は、権力者が情報を公開し、法によって財産を守り、不当に国民の身体に危害を加えず、言論の自由が担保されている(おそらく東アジアで唯一の)ごく普通の民主主義国家なのですから。個人的には日本がそうあり続けることが、アジアで不当に人権を蹂躙されている人たちの希望だとも思うんですよね。少し話がそれますが、そうして「自由の国、日本」として日本がブランディングされれば、自然と日本でチャレンジしたがるアジアの移民も増えるんじゃないでしょうか。

ではでは今日はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。