先日9月27日、日本時間の17時からスウェーデンのストックホルムで、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC、Intergovermental Panel on Climate Change)の記者会見が開かれました。これは、9月23日から行われていた同機構における第1作業部会の会合による「第5次評価報告書(AR5)」の「第1作業部会報告書(Working Group I)」の発表が目的。また、同機構のホームページによると、来年2014年3月31日には第2作業部会が日本の横浜で、さらに4月に第3作業部会がドイツで、10月には各部会合同レポートがデンマークのコペンハーゲンで開かれる記者会見で発表される予定になっています。
今回、発表されたIPCCの報告書には、いくつかの重大な項目があります。表題の記事では、それを5つの要点に絞って紹介しているんだが、とりわけ「ほぼ確実」や「非常に高い可能性」といった文言の定義に注目です。「ほぼ確実」とは「99~100%の確信度」であり、たとえば「海洋は『ほぼ確実』に温暖化している」という表現になり、「可能性が非常に高い」というのは「90~100%の確信度」で「二酸化炭素が海洋の酸性化を26%促進した『可能性が非常に高い』という表現になります。また「可能性が高い」というのは「66~100%の確信度」だそうで、かなり幅のある確率になっています。
いずれにせよ、異常気象が増えたり海洋が酸性化していたり、といった事象について、反論する人は多くないでしょう。問題は「どうして」そうなったのか、という因果関係の証明にあります。今回のIPCCの報告書では、二酸化炭素が「主犯」という表現は続いているんだが、20世紀半ば以降の「人間活動」が温暖化の主な原因である、という表現が加えられました。しかし「二酸化炭素主犯説」には誤謬はない、という一貫した態度に変化はありません。
異常気象の増加や温暖化は事実として「今そこにある危機」です。しかし、その原因が「人間活動」だとすれば、二酸化炭素だけに罪を押しつけるのには無理がある。「人間活動」そのものを制限しなければならなくなったら大ごとです。「主犯」を二酸化炭素に限定しておいたほうが都合いい勢力がいるのかもしれません。
ナショナルジオグラフィックニュース
IPCCの気候変動報告書、5つの要点
「リーダーを目指さない」という選択肢
脱社畜ブログ
日本人は小中学校のころから「リーダー」になる教育を受けてきていません。「平等」ということが金科玉条になっているからか、目立つことを良しとしない子どもばかり増殖させています。どうして日本人はこうした「悪平等」さえも受け入れるような性格の民族になってしまったんでしょうか。人間集団を構成する各個人には、それぞれ得手不得手や役割があります。偉いとか頭がいいとか我が強い、といった要素とは別に、集団行動の方向性を決めなければならない人が必要です。「リーダー」が選ばれるのは、単に彼や彼女の資質や得意分野がそれだったから、というだけです。しかし、彼らはやがて余剰生産物を独占するようになり、富の蓄積が行われ、最初は集団から選ばれて「リーダー」になった人やその子孫が、次第に「王」として君臨するようになる。こうした変化が、人間社会に普遍的な発展過程とは限らないんだが、集団内ではおよそこうした「不平等」が発生し、その意味では豊かな社会になればなるほど、逆説的に「平等」というのはあり得ない、ということになります。
ティラノサウルスは今まで映画などで見た姿とは全く違ってカラフルな色だったかも!
マックンの気まま日記
化石には「色」はほとんど残らないので、太古の化石生物がいったいどんな色をしていたのか、よくわかりません。ただ、それぞれの生物における生態系の役割は原生生物と変わらないと考えれば、それをトレースすると太古の生物がどんな生態でどんな外見だったのか、およそ推測できます。たとえば、アフリカの草原にいるシマウマは集団で移動するとき、天敵である肉食獣の目を紛らわすために縦縞をしている、と考えられています。また、極彩色の羽毛を誇示する鳥類は雄が雌の気を引くために進化したらしい。また、ライオンのオスのたてがみは、いったい何のためにあるのか、と言えば諸説あるんだが、メスや群を巡るオス同士の闘争で首回りを保護するため、とか、立派なたてがみのほうがメスにモテるから、とか言われています。恐竜にも草食と肉食の補食関係があったわけで、草食恐竜は肉食恐竜に襲われないような色彩をしていたのかもしれません。ティラノサウルスが腐肉を漁るスカベンジャーだった、という仮説は確かにある反面、強力な捕食者だった、という説も捨てがたい。彼らは群を作らないトラやヒョウのような肉食恐竜だったわけで、トラ柄やヒョウ柄の毛並みのティラノサウルスを想像すると楽しいです。
全身80箇所が可動! 究極の超精密可動素体『S.F.B.T-3』が凄すぎる
KOTAKU
イラストレーターやゲーム製作者は、人体の動きを観察するため、デッサン用の人形を使います。関節の動きや骨のつき具合が「あり得ない」ものに描かれ、見る者に違和感を抱かせないようにするためです。人間は人間を異常に注意深く見ているもので、ちょっとした違いを敏感に感じ取る。これがいわゆる「不気味の谷」が起きる理由なんだが、リアルであればあるほど、微細な違いが違和感につながる、というわけです。この記事で紹介されているデッサン用人形は、美術やクリエイターの目的を超え、鑑賞に堪えうるだけの完成度になっている。高さは約30センチ。注文が殺到し、納期は来年2014年の春頃まで待たないといけないようです。
切っても元通り!自己修復するプラスティック、その名は……?
IRORIO
「覆水盆に返らず」というのはエントロピー増大の法則を的確に言い表していると思うんだが、人間関係に限らず、生きとし生けるものはいつか必ず死ぬし、形あるものはいつか必ず壊れます。その反面、この宇宙は不思議なもので「自己組織化」という現象が起きている。我々が生きているのも「自己組織化」がなせるワザです。この記事では、スペインの研究者が作り出した「壊れても元通りになる素材」を紹介。自分で自分を作り出す「マイクロマシン」の「悪夢」は映画『ターミネーター』に描かれていました。で、この素材の名前は、という質問の答えもそこにあります。
アゴラ編集部:石田 雅彦