先日、北欧の子育て支援について書いたが、北欧は良質なおもちゃを作ることでも有名だ。デンマーク発のレゴは最も成功している例で、今や世界中の多くの子どもたちがレゴを体験して育っている。年間売上は3900億円と、玩具メーカーとして世界2位にまで上昇、最近も業績好調のもよう。私自身も貧乏な子ども時代、テレビゲームやおもちゃは全く買ってもらえなかったが、レゴだけは誕生日プレゼントとして買ってもらっていた。兄と一緒にいろんな創作品をつくったものだ。私が比較的数学に強かったのは、おそらくレゴの効果があったに違いない。
レゴの教育効果は世界中で注目されており、MITメディアラボで研究対象になったり、各地でレゴを使った塾のようなレゴスクールもできている。さらに、今年になってご当地デンマークでは遂にレゴ社の運営する学校(インターナショナルスクール)まで創設された。デンマーク政府から補助金が出るため月額約5万円で通えるそうなので、子どもたちに通わせたいくらいだ。
レゴに代表される知育ブロックは、他にも様々な種類のものが出ており、うちもレゴだけでなくいろいろとやらせてみている。なかでも、実際に使ってみてお奨めなものを以下に紹介したい。
学研のニューブロックは大きくて柔らかいので、小さい子どもにも安心して遊ばせられる。うちの子も1歳半くらいからお世話になっている。パーツが大きくてもその機能はバカにできず、かなりのバリエーションで創作できる。
ブロックというよりは、磁石で様々な形を組み立てることができる知育玩具マグフォーマー。立体図形の感覚が学べるだけでなく、結構いろんな形を創作できる。4歳の息子はこれで最近お気に入りの爬虫類両生類の形をつくって遊んでいる。あまり知られていないが、韓国発の商品で、アメリカはじめ世界20カ国ほどで売られているそうだ。
最後に、カチッとはめるタイプで球体や曲面も表現できるブロック、LaQ(ラキュー)。こちらは、日本発で奈良県の企業が開発したもの。海外で各賞を受賞していて、最近は海外でも展開しているそうだ。小さい子にはやや難しいが、慣れるとかなりはまりそう。友人の子どもは何時間も集中して遊んでいると言っていた。
ブロックと一口に言っても最近は色とりどり。親としては選ぶのも大変だが、年齢と用途に合わせて選べばいろんな可能性がひろがる。アジア市場を中心に世界では知育玩具市場はこれからさらに伸びることが予想されるので、各国玩具メーカーのグローバル競争も見ものだ。知的好奇心と創造力を刺激する「楽しく遊べる教材」がこれからもたくさん出てくることを期待したい。
学びのエバンジェリスト
本山勝寛
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「学びの革命」をテーマに著作多数。国内外で社会変革を手掛けるアジア最大級のNGO日本財団で国際協力に従事、世界中を駆け回っている。ハーバード大学院国際教育政策専攻修士過程修了、東京大学工学部システム創成学科卒。1男2女のイクメン父として、独自の子育て論も展開。アゴラ/BLOGOSブロガー(月間20万PV)。著書『16倍速勉強法』『16倍速仕事術』(光文社)、『マンガ勉強法』(ソフトバンク)、『YouTube英語勉強法』(サンマーク出版)、『お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記』(ダイヤモンド社)など。