政府機関の閉鎖で、NYシティ・マラソンに思わぬ余波 --- 安田 佐和子

アゴラ

1970年から開始したNYシティ・マラソン。今年も11月3日にスタートです!

今年マンハッタン・ハーフマラソンに参加したワタクシ、欲張って応募してみたものの結果は落選。2012年にハリケーン「サンディ」の影響で初めて中止を余儀なくされたため、昨年の繰り上がり組がいらっしゃいましたから、今年は激戦だったんですよね。

今年はハリケーンが直撃するリスクは皆無に等しい状況ですから、さしたる障害もなく無事に幕開けを迎える……はずだったんです。ところが昨年と異なり天災ではなく、人災でひとつの重要な問題が浮上しています。

そう、政府機関の閉鎖が立ちはだかっているんです。

日本からご参加される方、心配は無用です。もちろん中止に追い込まれたりはしません。

政府機関の閉鎖が投げかける問題とは……スタート前の集結地点なんです。

NYシティ・マラソンのスタート地点は、マンハッタン南部に浮かぶスタッテン・アイランドはフォート・ワズワース公園。フォート(砦)という名を冠するように、軍事拠点だった場所です。全米最古の要塞のひとつとされるはずで、ニューヨーク湾の南西に横たわるナロウズ海峡の向こう側にブルックリンをいただくんですね。

独立戦争や南北戦争時、重要な戦略の要でした。

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フォードワズワース公園近くには、スタッテン・アイランドとブルックリンをつなぐアメリカ最大の吊り橋ベラザノ・ナローズ・ブリッジが悠然と控えるだけにスタート地点として最適なんです。ちなみに橋のたもと、夜ともなれば息を呑む絶景スポットとしてニューヨーカーを惹きつけているんですよ。

近所にあるレストランで、百万ドルの夜景を味わいながら食事もできます。

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軍事拠点だったこちらを含むゲートウェイ国立レクリエーション地域、管轄はどこかといいますと・・・スタッテン・アイランドでも、ニューヨーク州でもありません。 連邦政府なんです。従って、政府機関の閉鎖を通じた予算凍結の影響をもろに被って公園は閉じられているわけですよ。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、マラソン運営組織ニューヨーク・ロード・ランナーズ(NYRR)のメアリー・ウィッテンバーグ最高経営責任者(CEO)は、もしものときの緊急対策を7割方、策定済みと説明しているんすって。現時点で集結所の候補先は不明ですが、来週中には発表する見通しです。4月にボストン・マラソン爆発事件が発生したため厳重警戒が敷かれること必至で、慎重に慎重を重ねた上で決定されることでしょう。NYだけでなく世界中から約4万5000人が参加するレース、運営側も全力で準備に走っていそうです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年10月12日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。