あなたの人生決めるのも責任をとるのも、あなたしかいない

松本 孝行

うさみのりやさんがアンチグローバルマッチョ最終宣言を行い、一応ここで終結ということでしょうか。私も随分前にこちらのアゴラで若者は「海外に行け」という言葉に耳を貸すなというエントリーを書かせてもらった通り、考え方は近いものがあります。ただ私の場合はグローバルに対応することそのものを否定していませんし、もし政治家のようなリーダーになられるんであれば広い見識を持って欲しいのと思っているので、ぜひともグローバルに活躍できる力「も」つけてほしいと考えていますが。

話がそれましたが、グローバル化した時代を生き抜くために、キャリアとスキルをアップさせるという生き方もひとつですし、あえてうさみさんのような国内で活躍するために頑張るのも間違いではありません。しかし重要な事は誰の言うことを信じてもいいけれども、最終的にその人生の選択に責任をとるのは自分しかいないということをはっきり認識しておくことです。


少し前に茂木健一郎さんが主張する「学歴なんて関係ない」という言葉を信じ、そのまま勉強せずにAO入試だけに狙いを定めて全滅したという人のまとめがtogetterに乗っていました。茂木さんはどちらかと言うとペーパー入試反対派で、人物重視の面接などが必要だと主張している一人だと私は認識しています。このtogetterの話は本当かどうかはわかりませんが、茂木さんは有名人ですし、言説を信じる若者が現れてもおかしくはないでしょう。

ではこの話が本当だとして、茂木さんの主張を信じた若者を茂木さんが責任をもって救うのか?というとそんなことはありません。そもそもそんな義務もありません。そんな責任が生じるのであれば、うかつに発言なんてできなくなるでしょう。誰かの意見を信じ、それを実行に移した責任はあくまで本人にあるのです。本人の人生の選択ですから、その本人にしか責任をとることはできません。

これはグローバルマッチョに関する話でも同じことです。自分で選択したことは自分自身でしか責任は取れないのです。例えば田村耕太郎さんの意見を信じてその通りやったにもかかわらず、うまく行かなかったからといって、田村さんがその責任をとり、損害賠償をする義務等は全くありません。自分で信じて自分で選んだ道ですから自分で責任を取るしかないのです。

「海外に行ってグローバルに活躍しなければならない」という意見も「入試は人物重視にすべき」という意見も、ひとつの意見でしかありません。一つの意見でしかなく、強要しているわけではありませんから、信じるも信じないもあなた次第なのです。加えて、それを信じたからといって成功が確約されているわけではありません。海外で活躍できるようにスキルを付けてキャリアップしても、うまくいかない人もいるでしょう。もちろん成功する人もいますし、それで幸せになる人もいます。成功もすれば失敗もする、そしてその責任は自分でしか取れないのです。

若者にとって重要な事は自分にとって後悔しない選択なのか?を考えることです。有名人が言っているから、頭のいい人が言っているから、必ずしも正しい選択ではないのです。特にキャリアについては正解・不正解が難しく、同じ選択肢でも人によって成功も失敗もあります。一昔前は日本の企業のやり方こそ正しいと言われていたわけですし、時代によって正しいものも変わります。

自分にとって正解なのかどうなのか?それを考えて実行に移すことこそが、海外に行くかどうかよりも重要なことだと私は思います。